樹木のお医者さん?病気にかかっている木を治療する樹木医とは?

 

 

こんにちは、ナカイです。

皆さんは樹木医という資格をご存知ですか?

二ュースで大径木が倒れたときに「樹木医の〜先生が言うには・・・」みたいに流れるじゃないですか。

「樹木医って何?」「樹木のお医者さんなの?」「あまり知らないな」と思うかもしれません。

なので今回は樹木医について紹介します。

樹木医って?

樹木医とは1991年に始まった資格でかつては農林水産大臣認定の国家資格でした。

現在は一般財団法人日本緑化センターが事業を引き継ぎ民間資格となっています。

樹木医資格を受験するには樹木の診断・治療等に関する業務経験が7年以上、もしくは樹木医補の資格を有してから業務経験が1年以上必要です。

樹木医は主に、街路樹や天然記念物等である文化財樹木の保護・診断・治療を行います。

そのため豊富な知識と経験が必要になります。

木は人間のように言葉を発しません。

だからこそ、注意深く観察し小さな変化を見逃さず治療を施す必要があります。

日本全国で樹木医資格を持っているのは2826人しかいません(令和2年2月12日)。

樹木医になるには?

受験資格

上記でも書いたように受験資格者は樹木の診断・治療等に関する業務経験が7年以上、もしくは樹木医補の資格を有してから業務経験が1年以上が必要です。

ここで気になるのは「樹木医補」だと思います。

樹木医補って?

樹木医補は2004年に導入された資格で、日本緑化センターが認定した大学〈樹木医補資格養成機関〉で指定科目を履修・修得し卒業した者が申請(資格認定のために必要な書類を提出)することでもらえる資格です。

樹木医補は樹木医が行う樹木の保護、育成、管理事業等の補佐や業務を行う中で倒木等の危険を察知する能力を磨き、対応していくことが必要です。

樹木医補を取得することで受験資格に必要な実務7年が免除され若い人が受験しやすくなりました。

試験内容・合格率

受験条件を満たして年に1回ある試験に応募し1次審査を受けることができます。

1次審査では筆記試験(樹木医研修を受けるに値する知識や技術について)と業績審査が行われます。

ここで90〜100人程が選ばれ2次審査に進みます。

2次審査では2週間程の研修(講義・実習を13日間)があり講義・実習の翌日に筆記試験(16教科)が行われます。

研修最終日に面接試験を行い樹木医としての適性を審査されます。

その後2週間の研修結果をもとに樹木医制度審議会による審査が行われ合格者が発表され合格通知が送られます。

合格通知が送られた人は樹木医登録をすることで樹木医として認定されます。

「認定されるとどうなるの?」と思うかもしれませんが、樹木医登録を行うと日本緑化センターの樹木医登録者名簿に載ります。

この樹木医登録や名簿は林野庁、国土交通省緑政部門、環境省、都道府県等に送付され活用されます。

毎年、試験を合格し樹木医として登録されるのは100〜120人中25人ほどです。

合格率25%の狭き門なんです。

樹木医って何してるの?

ここまで樹木医になる方法について書いてきました。

ここまで読んでいただくと「樹木医って何してるの?」と疑問が湧くと思います。

樹木医は主に病気になっている植物を診察・分析・処置を行い治療する仕事です。

木が病気になるのには様々な外的要因によって木が弱ることで発症します。

そのため、病気の箇所だけを直すのではなく何が原因で発症したのかを診察・分析し、専門器具を用いて検査を行い原因をはっきりさせます。

原因が分かったら適切な量の肥料や薬を投与したり剪定等を行います。

枯死した枝が巨木になると電灯の柱くらいのサイズになることもあり、もし落ちた場合に通行人に当たらないように樹木医の中には、ロープを使い樹上まで行き伐採を行う方もいます。

原因を見誤り不必要な処置を行うと木に大きな負担をかけてしまい、その木が台風等で民家や道路に倒れたら経済的負担もかかります。

樹木医の患者は全国各地の天然記念物や御神木などの巨大な古木から街路樹と幅広く、これらの病気を治し後世に残すという重要な役目があります。

樹木医ってあまり見かけない

「樹木医ってあまり聞かないな・見ないな」と思う理由の1つが樹木医のみで開業している人がほとんどいないからだと思います。

多くの樹木医の方が造園や林業、都道府県や研究所などに勤めており本業に樹木医のスキルを活かしていると言った方がいいかもしれません。

自身が判断・処置した木が回復し元気に成長するのはかなりやりがいのある仕事だと思います。

最後に

いかがでしたでしょうか?

樹木医について書きました。

中々樹木医が活躍している現場を目にする機会がないとは思います。

樹木医になるには広く深い知識と技術の両方が必要で、樹木医になったら日々樹木と向き合い病気を治し後世に多くの樹木を残そうと活動しています。

病気の箇所によっては症状が目に見える場所に現れるのに時間がかかる場合もあり、治療を行っても病気になった箇所がすぐに塞がるわけではありません。

樹木医は長い期間をかけて辛抱強く木に向き合っていきます。

林業は周りのために欠点(病気・枯れ)がある木は伐採しますが、樹木医は木をできる限り治療を行い生かします。

僕も樹木医になれるよう日々勉強中です。

気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメントしてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。