こんにちは、ナカイです。
日本は先進国の中でも森林率が高く自然豊かな国です。
アーボプラスがある京都府は74%が森林です。
森林は樹冠率や樹種など様々な項目で分類することができます。
中でも人工林、天然林の分類方法は多くの方が一度は聞いたことがあるかと思います。
日本の森林を大きく分けると人工林と天然林に分けることができます。
今回は人工林と天然林について紹介します。
FRA2020を参考にしているため林業関係者の方々は違和感を持たれるかもしれません。
人工林とは?
人工林とはFRA2020(世界森林資源評価)の区分によると植林や播種(種蒔き)によって成立した樹木が優先する森林を指し、プランテーションとその他の人工林に分けられます。
簡単に言うと人工林とは森林の生殖や育成に人間が関わり、手入れ管理された森林で日本の森林の41%が該当します。
世界全体で見ると2020年現在人工林は7%ほどしか占めていないため日本は比較的人工林の多い国です。
日本ではスギ・ヒノキの苗を植樹し育成することで品質の整えられた木材を生産してきました。
そのため日本の各地にスギ・ヒノキの単層林もしくは2種類の混交林が分布しています。
主伐・皆伐を行った伐採跡地に2〜3年苗場で育てた成長の良い苗を植えていきます。
その為多くの人工林は同一樹種の同林齢がほとんどです。
しかし、単層林は手入れ管理を行わないと森林環境に影響が出たり台風や強風で樹木の多くが倒伏や欠損といった被害も出ています。
このような影響から近年では違う林齢や広葉樹など複数の樹種で構成する複層林施業も行われています。
「何故手入れ管理が必要なの?」と思うかもしれませんが人工林を放置すると危険だからです。
人工林は手入れしないと危ない?
上記でも説明したように人工林とは主に木材生産のために育成される森林のため植林を行う際にあえて過密に植樹します。
苗を過密に植えることで日光が上から刺し樹木はまっすぐ伸びていきます。
樹木がある程度成長したら定期的に除伐・間伐(間引き)を行う必要があります。
除伐・間伐を行わないと樹木の成長や森林環境に大きな影響が出ます。
日本の森林の40%が人工林って本当?人工林は間伐は必須?間伐について紹介します。←間伐の必要性について詳しく知りたい方はこの記事をクリック!
天然林とは?
FRA2020によると天然林とは天然更新による樹木の構成が優先な森林を指します。
つまり人の手が加えられておらず台風や森林火災などの自然災害の被害を受けて天然更新している森林です。
天然林の特徴はあらゆる遷移段階を含んでいる森林です。
また、過去に伐採された森林が天然更新によって天然林的要素を含んでいる森林も天然林といいます。
そのため天然林の幅は広く世界の森林の93%は天然林だと言われています。
しかし、天然林は年々減少傾向にあり特に原生林は少なくなってきています。
原生林とは
原生林とは古くから災害による破壊や伐採といった人の手が加えられていない森林を指します。
その為、地域の環境条件にあった森林構成となっており森林を構成する植物は遷移(下層植物から高木植物まで)の最終段階であるため安定的で永続的な森林と言われています。
厳密的な原生林は世界中を見ても少なく現在は熱帯雨林の1部に残っています。
日本でも一度も手を加えられずに残っている森林は少なく国土の4%以下しかありません。
現存する原生林の屋久島・白神山地・知床半島中は世界自然遺産に登録されています。
人工林と天然林の違いまとめ
人工林
- 植生から育成まで手入れ管理など人間が成長に関わっている森林
- 素材生産などを目的として育成されており多くの森林が単層林は2種類の混交林
- 手入れ管理を怠ると生態系や森林環境に影響を及ぼす
天然林
- 天然更新によって形成された森林
- 人が関わらずその環境条件にあった森林
- 中でも古くから人が関わらず災害などによる大きな影響が出ていない極相の森林を原生林といいます
最後に
人工林と天然林の違いについて紹介しました。
また、集落や居住区に近い森林は先祖が植林を行った人工林が多くを占めている地域がほとんどです。
その為、下流付近に人工林が多く山頂付近は雑木林や混交林といった二次林が広がっています。
昔は木材価格が高く森林を持っていると将来はお金になると言われていました。
近年は木材価格の低迷や森林所有者の世代交代によって森林に関わる方が少なくなってきています。
上記でも書いたように人工林を放置すると森林に大きな影響が出てしまいます。
日本が抱える放置林問題に対する制度、森林経営管理法とはその流れと申請方法
↑もし、「管理はできないけど所有している森林をなんとかしたい」と考えている方は読んでください。
気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメントしてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。