日本が抱える放置林問題に対する制度、森林経営管理法とはその流れと申請方法

 

 

こんにちは、ナカイです。

実は日本って国土の約70%が森林で、世界の森林率ランキングでは3位という森林国なんです。

しかし、森林国の日本は今放置林の荒廃問題を抱えています。

その結果、地球温暖化による豪雨によって土砂災害が起きています。

日本の多くの森林所有者は1ヘクタール未満の方が多く施業を行うには狭すぎるため利益もあまり出ません。

頑張って搬出しても国産材は安く買われてしまうのが現状です。

そのため多くの森林所有者が森林に興味を持たなくなり関わろうとしません。

中には山を継いだは良いけど、どこにあるかわからないといった方もいらっしゃいます。

このような問題を受け国は2019年4月に森林経営管理法(森林経営管理制度)を施行しました。

森林経営管理制度とは

森林経営管理制度とは現在経営管理が行われていない森林について、市町村が森林所有者から委託を受け林業経営に適している森林は意欲と能力のある林業事業体に委託し、林業に適さない森林は市町村が経営管理することで林業経営の効率化と森林の管理の適正化を促進することです。

今まで森林所有者が所有林を自ら経営管理するか民間事業者に委託だったため放置林が増えていました。

しかし森林経営管理制度で森林所有者と林業事業体を市町村が仲介することで中々行えなかった施業を行うことができます。

対象林

この制度の対象林は基本的に私有人工林のうち適切な経営管理が行われていない(市町村森林法に基づき森林整備計画に定められた施業方法)森林を適時に伐採を行いその後造林および保育を実施します。

経営管理が行われていない森林とは森林の多面的機能(水源涵養、生物多様性、木材生産機能等)を発揮のために間伐等を実施しなければならないのに長期間施業が行われていない森林です。

森林経営管理制度の流れ

この委託施業はわかりやすくダイジェスト的にまとめました。

森林所有者は所有林の経営管理の責務(適時の伐採、造林、保育の実施)を明確化します。

森林所有者が経営管理を実施できない場合、森林所有者は所有している森林のある市町村に森林経営管理を委託します。

森林経営権とは森林所有者の委託を受けて伐採等を実施するために市長村に設定される権利です。

委託された市町村は森林所有者に森林経営の意向調査、確認を行います。

意向調査後、市町村は森林集積計画を作成します。

作成した計画を森林所有者が同意したら経営管理を行う森林の境界を明確化します。

その後、作成した計画を公告・縦覧することで森林の経営管理の権利が市町村に設定されます。

市町村は委託を受けた森林を林業経営に適している森林かどうかを調査します。

調査後、森林が林業経営に適正な森林だった場合、市町村は経営管理実施権配分計画を作成し

都道府県が公表しているリストの中から意欲的で能力のある林業事業体を選定し経営管理実執権を設定、再委託します。

経営管理実施権配分計画とは民間事業体との合意のもと、経営管理実施権の存続期間や期間内に行う施業内容について明らかにしたものです。

また、都道府県が公表しているリストとは森林経営管理実施権の設定を希望する民間事業者を公募、公表したものです。

委託を受けた森林事業体は計画に従い施業を行います。

ここまで読んでいただくと「林業経営に適した森林は民間事業体施業するのはわかったが、林業経営に適していない森林はどうするの?」と思う方もいると思います。

市町村が林業経営に適していないと判断した森林においてはその森林のある自然的条件に適している施業方法を市町村自ら行います。

林業経営に適していない森林は間伐を行いながら針広混交林に移行していきます。

健康的な森林に移行することで森林の多面的機能が働きます。

つまり、

森林所有者が市町村に森林経営を委託します

     ↓

市町村が森林を調査します。

     ↓

林業経営に適していれば民間事業体に再委託。民間事業体は木材生産、造林を行います。

適していなければ市町村が施業を行い針広混交林へ移行します。

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日本は森林所有者が不明な森林が年々増えており、全国の森林の28%になっています。

森林所有者が不明になっているのは相続時に所有権移転登記がされなかったり、維持管理費が払えず放棄したりなどの理由があります。

森林経営管理制度には必要な手続きを行うと森林所有者がいる森林と同じように施業を行える特別措置があります。

しかし、この特別措置には賛否両論が出ています。

最後には

いかがでしょうか?

森林経営管理制度について書きました。

森林経営管理制度は日本が現在置かれている放置林に対し必要な対策だと考え、施業したくてもできない森林所有者の背中を押すもしくは負担を軽くする制度だと思います。

森林所有者の多くは森林を自ら施業しません。というよりできない方がほとんどです。

できないことはその道のプロに任せることが一番だと僕は思います。

だからこそ私たちアーボプラスは森林のプロとして、先人達が現代に残してくれた森林と向き合い、価値をプラス出来るようにと考え施業を行っています。

気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメント下さい。

最後まで読んでいただきありがとうございました。