日本の森林の40%が人工林って本当?人工林は間伐が必須?間伐について紹介します。

 

 

こんにちは、ナカイです。

以前別の記事で林業の仕事の流れについて書きました。

林業って何してるの?今と未来をつなげる職業、林業の仕事の流れはこれだ‼︎←詳しく知りたい方はクリック。

林業は森林で様々な作業を行います。

特に近年間伐は年中行われており人工林には欠かせません。

皆さんも割り箸や紙に「この商品は間伐材で製作されました」と書いてあるのを目にしたことがあると思います。

今回は間伐について紹介します。

間伐とは

間伐とは樹木の成長に沿って定期的に間引く伐採を指します。

間伐作業は古くから行われてきました。

林業では苗を植林する際に密集させるて植えるため一定期間成長すると森林の密度が高くなり、木々の成長が抑制され林床に光が入らなくなるなど様々な支障をきたします。

さらに、野生の鹿や放置林によって森林は荒廃しています。

人工林の荒廃を防ぐ意味でも間伐は必要な作業です。

上記では間伐は年中行われている作業と書きましたが本来は秋から冬にかけて行う作業です。

秋から冬は樹木が水分を吸い上げる量が少ないため樹皮がめくれにくいです。

間伐は残存木の価値を高めるために行うため、残存木の価値が落ちる危険性の低い秋から冬が旬でした。

近年は林業従事者の不足や放置林など様々な理由で年中間伐が行われています。

間伐を行うのは様々なメリットがあり間伐は人工林の森林環境を改善する働きがあります。

間伐の効果・目的

樹木の成長促進

間伐は人工林の森林環境を改善する働きがあります。

植林時は苗を密集して植えるため15〜20年程すると密度が高くなり枝葉同士が当たってしまいます。

枝が当たることで林床に近い枝葉に光が当たらなくなります。

光が当たらないと光合成が行えないため樹木は光が当たらない枝葉を枯らします(これを枯れあがりと言います。)

そのため木の枝葉の本数が減少し樹上のわずかな部分しか枝がつきません。

枝葉が少ないと光合成を行える部分が少なく成長が阻害されてしまいます。

また枝葉が樹木の上部にしか生えていない場合、幹が細い若年木は台風などの影響によって折れたり根元から倒伏してしまう危険性があります。

間伐を行うことで樹木間に光が指し、光合成が行える枝葉も増加するため成長が促進されます。

枝葉が樹木の中間地点まで生えていることで重心が下部になるため安定し台風などの災害でも耐えることができます。

土砂災害防止

樹木が成長すると土壌にも影響があります。

樹木が成長すると枝葉が林床を覆い光が入らなくなります。

林床に光が入らなくなると下層植生が分布せず土壌はむき出しになってしまいます。

近年、台風や豪雨時による土砂の流出が問題になっており、土壌に植生が少ないため雨が土壌に直接降り土砂が流れていくのが原因の1つです。

森林の多面的効果の一つに土砂災害防止効果があります。

この機能は降雨時に雨が樹木や下層植生に当たることで雨水の勢いを減らし土壌に当たっても土砂を巻き上げる量が少なく土砂が流出しにくくなる機能です。

災害時の危険性が減る?

森林の密度を低くすることで土壌深くに根が張りやすくなり台風時でも倒伏する危険性が低くなります。

土砂崩れといった災害の際によく流木が流れてくるといったことがあります。

少し前までは林業で切り捨て間伐を行った原木が流れてきていると言われていました。

しかし、土砂災害の時に流れてくる流木は間伐材よりも立木が根本から倒伏したものが流れている方が多いという研究結果もあります。

間伐を行うことで樹木が深く根を張り災害時に立木として流れてくることを減少させることができます。

間伐の種類

間伐まず切り捨て間伐と搬出間伐といった2種類の間伐があります。

切り捨て間伐とは15〜20年生の樹木がまだ細い時に行う伐採で木材が細いため販売しても輸送費が高く採算が合わないため一致の長さに玉切りし落ちないように並べる方法です。

近年は日本各地にバイオマス発電所が建設され切り捨て間伐を行うような細い木材も搬出されています。

搬出間伐

搬出間伐とは3回目の間伐くらいから行われる間伐方法です。

間伐した木材を搬出しても収入が得られるようになるとこれ以降は全て搬出されます。

間伐は樹木の選定方法によっても分けることができます。

定性間伐

定性間伐とは林業作業者が森林内で樹木を1つ1つ選定しながら伐採していく方法です。

この間伐方法のメリットとしては1本1本樹木を見て枯れ木や欠頂木、曲がっている木など伐採を行うため成長の良い優良木が残ります。

定性間伐は古くから行われている方法で現代でも間伐の主流となっています。

一方で樹木の選定が重要なため、選定には熟練者が必要です。

定量間伐

CREATOR: gd-jpeg v1.0 (using IJG JPEG v62), quality = 100

定量間伐とは森林の密度を重要とした伐採方法です。

あらかじめ伐採する量を決めておき、伐採を行います。

定量間伐は残した樹木が全て良い成長を見せるわけではなく、森林の密度によっては優良材を切る必要があります。

近年行われている間伐の多くは定性的定量間伐です。

最後に

いかがでしたでしょうか?

間伐について書きました。

木材生産には長い年月が必要です。

少し前までは100年生〜200年生の樹木が良いとされていました。

近年は製材しやすい40年生の木が多く求められています。

しかし、木材を出すまでに植林、下刈り、枝打ち、間伐といった様々な手間がかけられています。

間伐も大切な作業の1つです。

人工林のように1度人が手を加えた森林は放置すると荒廃し、枯れ木が倒伏していまい家屋や電線などざまざまな建設物が倒壊します。

林床に光が入らなくなることで下層植生が分布せず、昆虫や動物も生息しにくい環境になります。

間伐は健康的な森林の状態・多面的効果を維持し、生態系も保全できる大切な作業です。

間伐の種類は上記に書いた以外にもあるため別記事で書きます。

気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメントしてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。