これから旬を迎える松茸、しかし収穫量がどんどん減少している理由とは?

 

 

こんにちは、ナカイです

8月が終わり9月になりました。

この時期になると色々な食べ物が旬を迎えるので僕も毎年楽しみです。

秋の旬の食べ物はサンマ、さつまいもなど様々です。

中でも秋の味覚の王様と言われているのが松茸です。

香りが良く日本では高級キノコとしても有名だと思います。

今年は94日に長野県で収穫が開始されたと新聞に書いてありました。

祖父母が幼少期の頃はカゴいっぱいに松茸が取れており、学校に持っていく弁当は松茸づくしだったと話を聞いたこともあります。

しかし、国産松茸の収穫量は昔と比べ大幅に減少しています。

今回はこれから旬を迎える松茸と減少の理由について紹介していきます。

マツタケとは

松茸とはキシメジ科の1種でアジアやヨーロッパ、北アメリカに広く分布しており日本では岩手県や長野県で9月〜10月にかけて収穫されます。

松茸は主に赤松林に分布していますがコメツガ、アカエゾマツ、クロマツなどの林分にも分布します。

貧栄養の比較的乾燥した土壌を好み、共生する木の樹齢が20〜30年頃から30年間ほど生えます。

松茸は赤松などのマツ属の根と外生菌根が相利共生体を形成することで発生します。

日本に分布しているマツタケはDNAで8つのタイプに分けることができそのうちの1種は日本全土に分布しています。

1999年には日本の松茸とヨーロッパ産のキノコがDNA解析によって同一とされました。

近年中国から輸入されている松茸は日本の松茸とは違いマテバシイ、コナラなどのブナ科を宿主とするため生態や分類などの研究が行われています。

松茸は分布地域の松林の減少など様々な理由により減少傾向にあり、2020年には国際自然保護連合が絶滅危惧種に指定しました。

日本でも松茸が取れる場所は少なくなっています。

近年日本で出回る松茸の多くが中国や韓国、ブータンなどから輸入されています。

なぜ、マツタケは減少傾向にあるのでしょうか?

松茸が減少傾向の理由は大きく2つあります。

松枯れ

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1つ目は病気です。

松茸は土壌内にいる外生菌根と共生することで

しかし、共生する松が枯れてしまうと松茸はできません。

松枯れの大きな原因はマツノザイセンチュウという線虫によって引き起こされます。

枯れた松にいるマツノザイセンチュウがマツノマダラカミキリによって運ばれ新たな松に移っていきます。

松の中でもアカマツ、クロマツ、琉球松などがマツノザイセンチュウに対し抵抗性が弱く被害が甚大です。

令和元年では30万㎥が被害に遭いました。

松茸の産地で有名な長野県、山形県、岩手県など松の分布が多い都道府県は特に被害が甚大です。

長野県では一時期ヘリコプターで上空から殺虫剤を散布していました。

以前から流行しているマツノザイセンチュウや近年侵入してきたクビアカツヤカミキリなどの害虫によって松枯れは全国の森林で課題の1つとしてあげられます。

↓他の樹木の病気についても書いているのでよかったらこちらも読んでください。

森林所有者を困らせる虫とは?近年侵入してきたアイツ、日本の桜に危機が迫っている⁉︎

時代の変化

2つ目は時代の変化です。

「時代の変化とは?」と思うかもしれませんが普段僕たちが使っている燃料(ガソリン・電気)が普及するまでは森林から得ていました。

例えば落ち葉を貯めることで腐葉土(肥料)にして畑に使用したり、枝葉・木材は生活燃料(風呂や料理)として使っていました。

人々が森林に入り枝葉を集めていたため、枝葉が腐り木々の養分になる量が少なく山の土壌は貧栄養でした。

その結果木は土壌内の菌類と共生し松茸が生えてきていました。

つまり、燃料や技術の進歩によって人々が森林に入らなくなったため山が肥沃にり、松茸が生えるような環境条件がなくなり減少していきました。

ここまでは松茸の減少理由について紹介したのでここからは松茸の生産方法について紹介します。

国産松茸の収穫量は年によってばらつきがあり2018年は63t程でこれは国内流通量のわずか5%です。

なぜここまで収穫量が少ないのでしょうか?

松茸の生産方法

松茸は現代の技術では菌床栽培ができません。

現在松茸の栽培は林地栽培のみです。

そのため生産地域では定期的に松の下にある枝葉を退けてあえて土壌を貧栄養状態にすることで松茸が生えてくる環境にします。

また松周辺の雑木の除去や数年に1回の腐葉土のかき取りなども行なっています。

現在日本では松茸の人工栽培による収穫は確認されていません。

なので人工栽培した国産松茸が販売していたらよく確認して購入してください。

最後に

いかがだったでしょうか?

秋の味覚の代表格である松茸について書きました。

僕は松茸は森林と人々の共生の証拠だと考えます。

昔は生活に森林資源が必要不可欠でした。

そのため人々は山に入り枝葉を集め、森林は間伐を行いうまく生活していました。

人々が森林から離れた結果松茸が減少し、旬になってもなかなか流通しません。

松茸は時代とともに日本からなくなってしまうかもしれません。

これからは森林とどのように接していくかが重要だと思います。

松茸には極微量の毒があるので火を通さず生で食べたり、時間が経ってしまったものには注意してください。

気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメントしてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。