こんにちは
新人木こりのナカイです
日本の水って綺麗ですよね。
天然水としてアルプスの水はコンビニでも売っています。
世界195カ国の内、水が綺麗で水道水が飲める国はほんの十数カ国です。
水がきれいで飲める国にはアイスランド、カナダ、オーストラリア、スウェーデンなど
日本を含め水が飲める国は森林が多い国です。
日本は国土の7割を森林が占めています。
森林の多様性機能の1つ水源涵養機能があり
日本の水が綺麗なのは水源涵養機能の1つである水質浄化のおかげです。
今回は森林の持つ多面的機能の水源涵養機能についてお話していきます。
水源涵養機能とは
水源涵養機能は森林の持つ多面的機能の1つで水質浄化、洪水緩和、水質源貯留の3つに分けられます。
日本は世界でも降水量は多い国ですが洪水はあまり起きていません。
それは洪水緩和機能があるためです。
ここからは3つの機能について説明していきます。
洪水緩和
洪水緩和機能とは降水時に河川の増水緩和と発生を遅らせる働きがあります。
降水時、土壌に雨が浸透していきます。浸透した水は地下水面を通り川に流れでます。土壌に浸透すると水は砂や岩の隙間を通って地下水面まで浸透していきます。
砂や岩が障害物となり浸透させるスピードを緩やかにしていきます。
雨が川に流れ出る量を抑え、洪水のピーク時の最大水量を低くします
仮に水量を抑えても降水量が多い時は洪水発生を遅らせます。
森林土壌は1時間あたり258ミリ雨水を浸透させます。これは、草地の2倍、裸地の3倍の浸透率です
実際に滋賀県での調査では森林土壌の流出量は裸地の1/10以下になっていました(林野庁調べ)。
しかし洪水緩和機能は中小規模の洪水に有効的です。
水質浄化
森林土壌の働きによって雨水は浸透し最後は河川に流出します。
雨水が土壌を通っている間に雨水は濾過されます。
よくテレビ番組で濁った水を砂や石を層にしたペットボトルに入れると透明になるのをみたことがあると思います。
同じ効果を森林は行っています。また、土壌を通る間に雨水に含まれているリンや窒素といった河川の富栄養化の原因の1つになるような物質は土壌中に保留され植物に吸収されます。土壌内に含まれているミネラル成分などが適度に雨水に溶け出し、河川に流出する頃にはミネラルを含んだ美味しい水になります。
水源貯留
水源貯留機能とは森林が雨水を蓄える機能のことです。
森林土壌は様々な土が重なっており、粒子の大きさもバラバラです。
水は粒子の隙間に溜まり緩やかに地下に浸透し川に流出します。
日本の河川は急流な場所が多く貯水ダムの容量も小さいため森林が流出を緩めることで無効流水(洪水時に放流し海まで短時間で流出してしまうこと)を防ぐことができ晴れの日が続いても枯れにくく、安定した河川水量が得られます。
水源涵養保安林
日本には国が土砂災害防止や保健・レクリエーションなど特定の公益的目的を達成するために森林を指定する保安林制度があります。
保安林は全部で17種類ありその内の1つに水源涵養保安林があります。
水源涵養保安林は水源の涵養を目的とした森林で水源周辺に指定されます。
指定される森林面積が数百haから数千haと大面積が特徴で国土面積の約24パーセントです。
面積が広いため維持管理を林業関係者が行っています。
そのため、都道府県知事の許可が降りれば皆伐など他の保安林とは異なり規制が少し緩いです。
ここまで森林の水源涵養機能についてお話ししてきました
最後になぜ日本の水は軟水なのかについてお話ししていきます
日本の水は軟水?
日本で取れる水のほとんどが軟水です。(沖縄は硬水です)
日本の山は傾斜がキツく起伏が激しい地形のため水源涵養機能があっても河川までの流出は比較的速いためミネラル成分の浸透が少ないです。
軟水は基本無味無臭なため素材そのものの味を生かした日本料理に適しています。
そのため、出汁や緑茶といった水が味に影響を与えてしまう繊細なものが日本では発展していったと思います。
また軟水は肌や髪に優しく、胃袋があまり発達していない赤ちゃんにも良いです。
一方、ヨーロッパは硬水と場所が多くミネラル、マグネシウムが多く含まれています。
ヨーロッパは比較的山の傾斜が緩い石灰岩の土壌で地下水は石灰岩にゆっくり濾過されて行くので硬水になります。
硬水は肉の臭みを消し、煮込み料理ではアクを出しやすくする効果があります。
しかし、アミノ酸などの成分も出してしますため、素材の味を生かす日本料理に向いていなかったり、肌や髪がぱさつく傾向にあります。
最後に
いかがだったでしょうか?
森林の多面的機能の1つである水源涵養機能についてお話ししていきました。
普段当たり前に飲んでいる水も森林のおかげだったんです。
日本は森林によって様々な恩恵を受けています。
森林の多面的機能は手入れ管理を行なった森林で発揮されます。
私たちアーボプラスは皆さんの生活が今までと変わりないようこれからも貢献してまいります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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