簡易架線集材とはこれだ!短時間で架線集材を行うときに使う機械とシステム

 

 

こんにちは、ナカイです。

以前、本架線(集材機を使っての架線集材)について記事を書きました。

なので今回は集材機を使わない簡易架線集材について書いていこうと思います‼︎

本架線についての記事をまだ読まれていない方はこちらからご覧いただけます。

道なきところは架線を使え⁉︎急斜面での林業作業の救世主?高い技術力が必要な架線集材システムとは

簡易架線とは

「簡易架線って何」と思う方もいると思うので簡単に説明をすると集材機を使った架線集材が設置や撤収に時間が掛かるのに対し簡易架線は短時間で手軽に設置、撤収が行えます。また、集材機は設置固定に対し簡易架線は機械の移動が容易です。

そのため多くの林業事業体で簡易架線システムは使用されています。

一方で本架線が長いスパンの集材を行えるのに対し簡易架線は200メートル程度の範囲しか集材が行えません。

本架線も簡易架線も一長一短です。施業範囲や搬出方法によって使うシステムは異なります。

簡易架線集材にはスイングヤーダかタワーヤーダの2つの機械どちらかを使います。

スイングヤーダとは

スイングヤーダ(別名を旋回ブーム式タワー付集材機)は集材作業と集積作業を行える高性能林業機械です。

スイングヤーダは2つのドラムを建設用機械に搭載することで簡易的な索張り方式で集積作業を行います。

架線集材が必要ない時は集積作業や、アタッチメント部分を変えることで作業道開設も行います。

スイングヤーダはアーム部分を元柱として使うことで集積を行います。

またアーム部分を支柱にしているため上部旋回体を旋回することで積作業中に材を下ろす位置を

ある程度調整することが可能です。

作業手順

先柱に滑車を取り付けたらワイヤーを通します。

この時に先柱の位置が山側にある場合(下げ荷集材の場合)2本のうち1本を持って滑車に通しにいきます。ワイヤーは重く一本でも斜面を上るのは大変だからです。

逆に谷側に先柱がある場合はワイヤーを2本とも持っていきます。

One point 斜面を上るときは出来るだけ軽くが大事

ワイヤーが滑車に通るとHAL(ホールラインを巻くと搬機を機械側に引っ張るワイヤー)HBL(ホールバックライン巻くと搬機は山側に送られます)を搬機に接続し一本の輪になるようにし、集積開始です。

集材作業は山に集積する材木にワイヤーをつける人一人、操縦者で降りてきた材のワイヤーを解く人1人の最低2人が必要で集積する材は上に重なっている材から集材していきます。

タワーヤーダ

タワーヤーダ(タワー付き集材機)は人工支柱を搭載した自走式集材機械で、ワイヤーを高く張り上げるため急斜面でも集積が可能です。

集材距離はスイングヤーダよりも長く300メートル以上集材可能で車幅が狭く2メートルの作業道でも入れるため路網密度を低く設計することができ、作業コストを抑えることができます。移動方法もトラック型、クローラー型、牽引型の3種類あります。

操作はリモコンで行いワイヤーの巻き取り量と総出量を均等になるよう自動調整が可能なインターロック機能やワイヤーの張りも自動調整し滑らかな集材を行ってくれるので操縦者は索張力と速度を指定しストップ時に止めるだけと安全性が高いです。

他にも機体の傾斜角度や吊荷が重いとブザーで知らせてくれたり、ドラム数が5つの5胴しきタワーヤーダもあります。

この5胴式タワーヤーダーは横取りエンドレス方式にも対応しているため一度の設置で広範囲の集積が可能です。

作業手順

集材システムはランニングスカイラインや簡易索張りを使います。

タワヤーダーは人工支柱が吊り荷の重さに耐えられるよう(転倒しないように)支柱の後ろにガイライン(控索)を取ることで固定します。

作業手順はSKL(スカイライン)を先柱まで持っていき滑車に通して身近な材に固定します。

SKLは搬機が乗るラインで移動をHAL、HBLの長さ調節で行います。

海外のタワーヤーダ

日本と同様に急斜面が多いオーストラリアではタワーヤーダーとプロセッサ(造材機械)が一体型となった機械が動いています。

そのため短時間、少数人数で作業を行えます。

「ならその機械日本にも導入すればいいじゃん」と話を聞いた人なら誰でも思うと思います。

僕も思いました。

しかし、日本の道路交通法やプロセッサー付き機械に国内基準は高く厳しいためそのままでは輸入できないそうです。

現在日本の規格に合うよう改造を加えているそうですがかなり難しいみたいです。

最後に

いかがだったでしょうか?

簡易架線集材に必要な機械と作業内容、現状についてお話してきました。

架線システムは作業道を抑えるため、林床を荒らさず、作業道が崩れることが少ないというメリットがあります。

私たちは新しい技術と深い知識を持って先人達が残してくれた山を無駄にすることなく使わせてもらうことが大切だと考えています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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