コロナウイルスの影響で起こったウッドショックの原因と日本の木材供給の脆弱さの根本とは

 

 

こんにちは、ナカイです。

最近ガソリンの値段がどんどん上がってきていますよね。

車が生活の必須アイテムの地方暮らしや仕事で車を使う方には痛手です。

家の近くのガソリンスタンドも167円/Lになり、毎日車を使う僕の財布を苦しめます。

ガゾリン同様に価格がいまだに高騰しているのが木材です。

2020年ごろから世界各地に感染が広まったコロナウイルスの影響により木材価格は高騰しており、様々なところで「ウッドショック」と言われています。

コロナウイルスが収まり始めた今でも木材は高値のままです。

今回はウッドショックと国産材の供給量が増加しない理由について紹介します。

ウッドショックとは

ウッドショックとは2020年に感染が広がったコロナウイルスの影響により木材価格が高騰したことを指し、1970年台に発生したオイルショックになぞられています。

製材の輸入価格で見ると前年の1.9倍まで高騰し、その影響を受けて国産材の需要が増加しヒノキの丸太は2010年の1.7倍まで高騰しています。

ウッドショック(木材価格高騰)が起こった大きな原因はコロナウイルスによる木材需要の高まり、輸送コンテナの不足、国産材の供給量不足、欧州での木材需要の4つだと言われています。

アメリカと中国の木材需要の高まり

コロナウイルスの感染が世界各国に広まったことで多くの都市部がロックダウンや工場停止など様々な問題が起き、その結果木材価格の高騰につながりました。

コロナウイルスの影響でリモートワークによる在宅作業が増えたことでアメリカでは郊外に新築を購入したり、リフォームを行ったりと住宅着工件数が増加、住宅許可件数は5年前(2015年)の1.25倍にも及び木材の需要が高まりました。

また2020年は虫害や森林火災などの影響で元々木材が不足、コロナウイルスによって製材所が停止し需要に拍車をかけました。

アメリカの木材需要は2021年の6〜7月に木材価格は最高値から半額になりましたが木材需要はいまだに高く、

世界の中でもいち早くコロナウイルスを終息させた中国は経済活動が再開され、建設等に木材が必要となり木材の需要が高まりました。

元々中国は産業用丸太と製材では世界一の輸入量であり、生活で薪や石炭を使用している地域もあるため木材の使用量は多いです。

そのため多くの木材がアメリカや中国に輸入されているため日本に入ってきません。

コンテナ不足

コロナウイルスの影響によって在宅ワークや緊急事態宣言など世界で外出の自粛・禁止がされ人々は家の中で過ごす日が増えたためネットを利用して買い物をする人が増え物流量が増加し、コンテナがアメリカに集中しました。

多くのコンテナがアメリカに運び込まれましたが、コロナウイルスの影響により港湾労働者やトラックドライバーが足りずコンテナがが滞留してしまい、世界中でコンテナが足りなくなってしまいました。

原木や製材品など多くの木材製品がコンテナで輸出入されているため、コンテナが不足したことで木材の運搬が遅延しています。

通常なら2ヶ月後に届く木材が、コンテナ不足でいつ届くかわからない状態だそうです。

国産材の供給量不足

輸入材の高騰によって国産材への需要が高まりました。

しかし、日本の木材自給率は41.8%となっており多くの製材所が外国産材を使用してきました。

木材価格の高騰で国産材に需要が大きく傾いても補うほどの木材が市場にないため木材は需要数に対して供給数が少なく国産材の価格も高騰してしまいます。

外材は価格が高騰し、いつ来るかもわからず、国産材は供給量が少ないため木材の価格は高騰してしまいます。

欧州では地球環境に配慮

SDGsに伴い欧州諸国は2050 年に、温室効果ガス排出が実質ゼロとなる 「気候中立」を達成するという目標(欧州グリーンディール)を掲げ規制見直しや政策など地球環境により良い社会を作ろうとしています。

そのため木造建築の推進・公共事業など木材需要が高まっています。

一方で以前から課題となっていた強風や積雪等による倒木や病害虫被害の影響もあり国産材が思うほど生産出来ておらず輸入材の量が年々増しています。

このように世界各国で木材需要が高まった影響で何故国産材まで価格が高騰したのでしょうか?

何故こんな状況になったの?

ではどうしてこのような状況になってしまったのでしょうか?

ウッドショックは過去に二回起きており今回が初めてではありません。

1992〜1993年にはアメリカやマレーシアで木材の伐採規制によって価格が高騰し、欧州材を輸入するようになりました。

2006年には中国等の東南アジアで需要が増加し木材価格が高騰しました。

2回とも海外の影響を受けて木材価格が高騰しているんです。

輸入材に頼っていた日本政府

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日本は1955年ごろまでは木材自給率90パーセント越えでした。

しかし、年々自給率が下がっていき2002年には18.8パーセントまで落ち込み日本で使われている木材製品の8割以上が輸入材を使っているんです。

このように輸入材が多く使用されているのは、高度経済成長期に日本国内で木材の需要が高まり、当時の日本政府が1964年に木材完全自由化(関税撤廃・段階的引き下げ)を行った結果安く量が入る輸入材を使う工場が増えていったためです。

輸入材におんぶ抱っこし続けていたからこそ過去2回も含め国外の影響をもろに受けており日本の脆弱な木材事情が明らかになりました。

最後に

ウッドショックの原因と市場の木材供給量が増加しない理由について書きました。

以前見たニュースでは製材所の方が「木材が値上がりしてどうすればいいかわからない」とおっしゃっているのを見ました。

しかし、林業(原木を搬出する)側から言えば「今までの原木価格が安価過ぎた」です。

上記でも書きましたが高度経済成長期に木材の関税を無くした結果日本の林業は低迷・木材価格も下落し山主に入るお金も減りました

国産材の需要はどんどん減っていき、木材の価格が安い中でも林業関係者は少しでもコストを抑えようと様々な工夫をしてきました。

別の記事で需要が高まり木材価格が高騰したのに国産材が中々増産されない理由について紹介します。

気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメントしてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。