こんにちは、ナカイです。
皆さん森林を間伐・皆伐等の伐採作業を行うとき始めに何を行うと思いますか?
まず始めに伐採範囲の調査を行います。
施業範囲がどこにあるのか?道はあるのか?機械が入れるのか?などを調べどのように材を出すか考えます。
その調査の1つとして測量があります。
測量は林業従事者が森林を伐採する際に必ず行うことで、測量データをもとに計画し作業をします。
今回は測量について紹介していこうと思います。
林業の作業システムについて知りたい方はこちらを読んでください。↓
・日本の林業のシステムはこれだ‼︎今の日本の林業で使われている作業システム
・道なきところは架線を使え⁉︎急斜面での林業作業の救世主?高い技術力が必要な架線集材システムとは
・簡易架線集材とはこれだ!短時間で架線集材を行うときに使う機械とシステム
測量とは
測量とは、伐採依頼を受けた範囲が実際にどれくらいの面積・傾斜があるのかを数値化しわかりやすくする作業で、数値や図に表すことで依頼主や作業するものにもわかりやすくなります。
測量にも様々な種類があります。
皆さんも街中でコンパス↓やポールを持った方見たことありませんか?
僕たちはその作業を森林内で行っています。
なぜ行うの?
「何故行うの?」と思った方もいるかもしれませんが、現地を測量することで様々な事がわかります。
まずは面積・距離です。
伐採を行う範囲の面積・周囲の距離が分からなければ作業計画を立てる事ができません。
お客さんに見積書を出すのに「作業する面積は多分これくらいです」なんて通用しませんし、信頼していただけません。
お客様にわかりやすく安心して伐採を任していただけるよう数値化します。
面積がわかると同時に境界を明確にします。
山に生えている立木(特に人工林)は先人が後世の為に残した財産です。
「間違って伐っちゃいました」なんて事が起こらないように境界を明確し防ぎます。(伐倒作業時も隣の所有者の木に当たらないように細心の注意を払います)
現場全体の面積距離以外に森林内の樹木の蓄積(㎥・立米)や現場の傾斜がわかります。
樹木分布は伐採を行った際にどれくらいの材積量が出せるのかの目安になり、搬出して販売した際にどのくらいの金額になるかを予測できるため伐採作業費をより正確に算出する事ができます。
傾斜は作業道を作成するのに必要なデータで、作業道をどこに通せば安全で頑丈で緩やかな道を通す事ができるのかが考えられます。
どのように測量するの?
「どのように測量するの?」と疑問を持つと思いますが、伐採予定現場の面積を測量するため林班図に乗っ取って2人1組で森林内を歩きます。
最近は技術が進んできたため様々な方法で測量が可能となり、面積だけならGPSを使って測量する事が可能です。
今回は森林の面積を測定するのに使われるコンパス測量、デジタル測量を紹介します。
コンパス測量
近年技術が発展し林業の現場でも機械化が進んできていますが測量はどうなのでしょうか?
僕が最初に習った測量方法はコンパス測量です。
コンパス測量は今はほとんど行われなくなりましたが、少し前まで行われていた測量方法でコンパス、ポール、巻尺を使います。
コンパス1人、ポール1人の最低二人必要です。
ポールのメモリ(高さを最初に指定して)を決めたらコンパスについている重りが中心に来るように設置します。
設置が完了したら最初に決めたポールの高さに指標を合わせてメモリを読みます。
このときに傾斜の傾き具合と2つ前のテントの角度が分かり、最終的に地図に表すときに必要な値です。
コンパスのメモリを読むと同時に巻尺で距離も測ります。
1点1点を測定しながら杭を打っていき用紙に記録します。
このように様々な捜査設置を行わなければならず、最初の内はミスが起こりやすいです。
しかし、熟練者になりと誤差はどんどん小さくなり正確性が増します。
電子コンパス
電子コンパスは技術の進歩によってコンパス測量が簡易化されたもので、コンパス測量のように巻尺が必要なくなり
測定器の設置がスムーズになりました。
また、GISなどのGPSと連携することでマップ上にGPSで測量と同時に端末に記録されるので紙に記録する必要もなくなりました。
そのため、使い慣れれば短い時間でも習得が可能である一定以上の成果で測量する事ができます。
一方で熟練のコンパス測量より誤差が大きくなりやすい傾向があります。
最後に
いかがでしたでしょうか?
測量(森林面積等)について書いてみました。
測量の種類は他にもGPS測量やレーザー測量などあるので別の記事で紹介したいと思います。
まだまだ機械化が遅れ気味と言われている林業ですが少しずつ便利になってきています。
僕自身コンパス測量をした事がありますが狭い面積でも1日かかってしまいます。
ちなみに僕は測量の技術を学校で学びました。
学校についても別の記事で紹介します。
気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメントしてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。