こんにちは、ナカイです。
最近街路樹の伐採について取り上げている記事をちらほら見ました。
茨城県南部の筑波学園都市(つくば市)の大通りに生えている街路樹(1707本)の伐採や、特定指定外来種であるサビイロカミキリムシ発見された地域では街路樹や果樹園が被害に遭い伐採されたなど街路樹関連のニュースを聞きます。
僕は高校まで東京の学校に通っていましたが毎日街路樹が多く生えている大学通りを使っていました。
今回は何故街路樹が植えられているのか紹介します。
街路樹とは
街路樹とは市街地の道路横に植えられている樹木を指し、道の両側に規則的に間隔を置いて植えてある樹木を並木と言います。
道路法によると街路樹は道路標識と同じ道路の付属物として扱われ管理・維持には道路特定財源が使われています。
世界一古い街路樹は約3000年前にグランド・トランク・ロードに沿って植えられた樹木とされていおり、日本では神功皇后が駅路を定めた際に道路沿いに植えたクスノキが始まりとされています。
栃木県の日光杉並木は12,000本以上の杉が35キロ以上も植えられており世界一長い並木道と言われています。
街路樹の問題
街路樹は日本各地で見られますが、道路脇や中央線などに植えられているため根を張る面積が少なく根が十分に張れない樹木が多くあります。
また管理の多くが市町村で行われており、地域によっては過密に植えているため月日が経つと樹木同士が成長を妨げたり、樹木の枯れや病気の発見に遅れてしまい台風などの災害時に倒伏してしまうといった事例もあります。
落葉樹は冬になると葉が落ち、落ち葉がスリップや転倒の原因や排水溝を詰まらせるといった問題も引き起こしています。
そのため落ち葉の清掃や洪水など地域住民に負担がかかってしまい落葉前の剪定等で対策を講じている自治体もあります。
街路樹の効果
都市部には高層ビルなどが立ち並び公園や街路樹が身近な自然だと思います。
僕の通学路には銀杏が植えてあったので10月頃になると銀杏の匂いが一定期間続いていたので「なんでこんなところにイチョウなんか植えたんだよ」と思っていました。
しかし、街路樹には様々なメリットがあります。(ここで紹介するのは街路樹の効果の1部です)
交通安全
街路樹が植えてあることで歩道と車道が分離され歩行者と車の接触リスクが減り、夜道では前方からくる車のフロントライトの光を遮ってくれます。
万が一自動車が歩道に侵入してきても街路樹が生えているため歩行者に当たることは少ないです。
僕は過去に1度街路樹に正面衝突している車を見た事があります。
また、日陰が道路にできることで昼間でも日光によって視界が遮られないため安全に運転する事ができます。
生活環境保全
街路樹の枝葉に直射日光が遮られることで道路に日陰ができます。
夏の暑い日に道路に日陰ができることで通行人は快適に移動ができ、冬は葉が落ちることで日が当たり多少暖かくなります。
街路樹に落葉広葉樹が多く植えられている理由の1つです。
以前から問題になっていたヒートアイランド現象(都市部の気温が周辺地域に比べ高くなる現象)は樹木が蒸散することで熱が放出され抑える事ができます。
樹木はフィレンチフィッドという物質を放出します。
この物質は人間の心身をリラックスさせ免疫力を向上させます。
林野庁が実際に行った研究では都市部を散歩するのと公園や森林を散歩するのではストレスホルモンや免疫力など数値に違いが見られました。
今の社会人に必要なのは森林の癒し?森林の持つレクリエーション機能?←詳しく知りたい方はこちらをクリック
他にも樹木には空気清浄効果や防塵・排ガスを受け止めてくれるため、都市部に多少の緑があるだけで私たち自身や生活環境に影響を与えます。
景観
日本には紅葉や桜など四季によって色鮮やかになる景色が有名な場所がいくつもあり集客効果にもなっています。
観光客が訪れない場所でも毎年地域の方々が観に来るなど人々に季節感や彩りを感じさせ街並みに統一感がでます。
防火
街路樹の効果は景観や生活環境保全以外に延焼防止効果と熱遮断効果があります。
樹木には水分が多く含まれているため燃え切るまで時間がかかります。
また枝葉は飛び火(火の粉)を防ぎ、蒸散することで温度上昇を抑える働きをします。
木は燃えるだけじゃない?火の侵攻を抑え守ってくれる木の防火性について
↑樹木の防火性について詳しく書いた記事かこちらなので気になる方はクリックしてください。
先人はこのことに気がつき含水率の高い樹種(イヌマキ)や樹皮の厚い樹種(イチョウ)が植えられました。
最後に
街路樹について書きました。
都市部の緑化や環境保全、火災時の対策など街路樹には様々な効果がある一方で落ち葉や樹木の倒伏といった問題もあり対策が必要です。
森林に携わるようになり都市部の自然の少なさはより大きく感じました。
日本とは違いアメリカでは都市に対する樹木の割合が高い場所ほど富裕層が多いというデータもあります。
また樹木が多い地域では喘息などの病気や熱中症予防にもつながっています。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。