こんにちは、ナカイです。
伐採を行っていると身体中に木屑がつくんですよ。
特に夏は汗の量が多いので余計に木屑がくっつきます。
着替えて、できる限り叩き落とすのですが完全には取れません。
車に入れ、家で取り出し洗濯する頃には木屑が車や家に、、、
林業あるあるの1つかもしれません。
実は、林業の現場ではよくでる木屑が今不足し、価格が高騰して、様々な業者の方が必要としているんです。
「ちょっと何言ってるかわからない」とツッコミを入れたくなるかもしれません。
正確に言うと木屑やおが粉が不足しています。
おが粉とは
「そもそもおが粉って何?」って思いますよね。
おが粉とは木材を製材する際に出てくる細かい木屑のことを言います。
木材を製材すると約7%はおが粉として出てきます。
「不足していると何が困るの?」と思うかもしれません。
確かに元々使えないところを集めたものなので「別に不足しても、、」と思う方がいるかもしれません。
実は製材時にでるおが粉は集められ家畜の敷料やバイオマス燃料、きのこ栽培など様々な用途で使われます。
しかも、おが粉が有るのと無いのとでは大違いなんです。皆さんの生活へも影響が出てしまうんです。
ここからはおが粉がどのように使われているかについて紹介していきます。
敷料
よく牧牛舎場など牛や馬の寝床に、土のようなものが敷かれているのを見たことないですか?
敷料は牛や馬が硬い床で怪我したり、ストレスを溜めるのを抑えてくれます。
例えば、乳牛は硬い床と乳が擦れることで乳房炎など症状になり、ストレスがかかります。
ストレスが掛かると乳牛なら出るミルクの量が減り、肉牛は肉質が硬くなります。
そのため、おが粉を敷き硬い床との接触を減らすことで牛の損傷を抑え快適に過ごし、ストレスがかからないようにします。
同様に、厩舎(馬の寝床)にも敷いてあります。
馬の健康に大きく関わっているのが蹄です。
硬い地面で運動すると蹄にヒビが入ってしまったり、馬房が不衛生だと雑菌等が入り化膿してしまいます。
そのため、馬の健康状態を維持するために蹄鉄を嵌めたり、おが粉を敷料としてしきます。
おが粉は吸収性と脱臭生に優れているので、馬のフンや尿を吸収し床が糞や尿で濡れて汚れることが少なくなります。
また、糞や尿を吸収したおが粉を発酵させ堆肥にし、畑で肥料として使います。
近年、ウッドショックの影響もあって木材の需要に対して供給が追いつかなかったり、大きい製材工場がまとめてバイオマスにおが粉を持っていくためおが粉が不足し価格が高騰しています。
家畜の敷料以外に昆虫(成虫や幼虫)の飼育でも使われます。
よくクワガタの幼虫が入っているビンを見たことないですか?
実はこれもおが粉なんです。
卵から成虫になるまで飼育している瓶の中にはおが粉と菌糸を加えたが入っており、早く大きく成長します。
オオクワガタの幼虫を羽化させるのに使う飼育瓶はおが粉にヒラタケ菌を加えた菌床が入っているんです。
バイオマス燃料
おが粉をバイオマス燃料として使う場合、家畜の敷料のように細かいサラサラの状態ではなく一定の大きさに固めます。
粉末状のおが粉を圧縮し燃焼しやすい形状(ペレットやオガライト)にします。
ペレットは薪ストーブやペレットストーブを使う方ならご存知だと思います。
材木屋や販売所でも販売されており、バイオマス燃料として数年前から注目もされています。
京都のオススメ販売所は京都ペレット町家ヒノコです。
バイオマス燃料以外に猫を飼っている方が猫砂の代わりに使ったりするみたいです。
ペレットストーブの使い方はこちらのサイトを参考にして下さい。
→http://www.hibana.co.jp/kyoto-pellet/pellet-stove/pelletstove_about3.html
皆さんオガライトってワードを聞いたことありますか?
僕はおが粉について調べるまで知りませんでした。
オガライトはおが粉を高温で圧縮する加熱圧縮を行うことで、おが粉に含まれているリグニンが凝固剤の代わりになり固まった燃焼材です。
大正末期に開発され石油やガスが普及するまで風呂を沸かす薪として使われていました。
近年では、冬に薪ストーブを使う人が購入するくらいの需要になってしまいました。
しかし、オガライトは高級薪と大差無いほど燃え長持ちします。
そのため、今でもバイオマス発電の燃料として使われています。
きのこ栽培
別の記事でキノコの栽培について紹介した記事がありますので良ければこちらも
→これも特用林産⁉︎身の回りにある特用林産と家でも行える栽培方法を教えちゃいます
菌床栽培で最も重要な菌の培地がおが粉で出来ているんです。
おが粉は木材を細かくしたものなので湿度調節を行い、かつキノコにとって栄養豊富だからです。
培地は使用するおが粉の樹種によって発生しやすいキノコが異なります。
おが粉が針葉樹(スギ、マツ)では、エリンギやブナシメジなどが取れ、
広葉樹(クヌギ、カシ、ナラなど)ではナメコ、シイタケなどが取れます。
最後に
いかがだったでしょうか?
今回は日本で不足しているおが粉について書きました。
実はおが粉自体の生産量はさほど変化していません。
バイオマスなどに比べ必要量が少ない小口客、畜産分野等においておが粉が入手しにくくなっているんです。
製材所で製材時にでるおが粉を畜産農家が敷料として使い、糞尿が混じったおが粉を発酵させ堆肥として畑に使ったり、バイオマス燃料や菌床栽培の培地などに使うことできれいな循環ができていました。
おが粉が皆さんの食生活の1部を影から支えていたんです。
不足したら中々の問題じゃないですか?
アーボプラスは特殊伐採の現場で伐採した樹木に感謝し、最善の活用方法を提案しています。
気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメント下さい。
「こんな解決策どうだろう」や「私はこのようにおが粉を使っているよ」と言う方も是非Facebookへコメントしてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。