こんにちは
新人木こりのナカイです。
やっと5月らしい気温になってきましたね。
去年は気温が上がったり下がったり、、、体調を崩しやすかったです。
地球温暖化によって以前とは違う天候になってきました。
毎年ニュースで猛暑や寒波、豪雨などの異常気象について放送されるのが当たり前になってきました。
特に日本では地震と豪雨による土砂災害が多いように感じます。
自分は平成30年に起きた2つの土砂災害を今でも覚えています。
北海道厚真町でM6.7の地震によって大規模な土砂災害が発生しました。
山の一部が滑り、土が見える状態が何キロも続いている映像に、家でテレビを見ていて言葉が出ませんでした。
西日本では強烈な豪雨が何日も続き
なんと・・・全国の総降水量(12日間)253,041ミリ(気象庁調べ)を記録しました。
これは雨がどこにも流れない状態の場合12日間で高さ253メートルたまる計算になるので
通天閣の2倍以上の高さです。
その量の雨が降ったため土砂災害発生件数は2512件にも登りました。
祖父の家の近所でも山が崩れて道路が通行止めになっていたのを思い出します。
土砂災害の原因の1つに手入れを行なっていな森林の土砂災害防止機能の低下があります。
森林に関わる人間からすると手入れされていない森林は危険な状態ということを全森林所有者に知ってほしいです。
土砂災害の種類
一般的に言われる土砂災害の分け方は地すべり、土石流、崖崩れの3種類です。
これは、斜面の崩壊を仕方(崩れ方)で分けた種類です。
土砂災害には他の分類方法があります。
それが表層崩壊と深層崩壊です。これは崩壊の深さで分けた種類で、
表層崩壊が地表から2メートルまでの深さで起きたものに対し深層崩壊は2メートル以上深い所で起きた物を指します。
なぜ土砂災害の種類についてお話ししたかというと、年間で起きる土砂災害の多くは表層崩壊だからです。
上記でお話した北海道や西日本豪雨で発生した土や災害も表層崩壊でした。
つまり、表層崩壊を抑えることができれば土砂災害での被害は減ります。
健康な(手入れされている)森林には土砂災害防止/土壌保全機能があります。
これは森林の持つ多面的機能の1つです。
ここからは森林の持つ土砂災害防止機能について説明します。
土砂災害防止機能とは?
健康な森林は表層崩壊を防ぐ機能があるといいました。
主な理由は2つあります。
①雨が直接地表面にあたると地表の細かい粒子を巻き上げてしまいます。
降雨水量が多いと地面に浸透しなかった雨水が流れ地表面を削ります。
その量が大きくなると土石流になります。
森林が健康だと立木の枝葉に当たり衝撃が弱まります。
また、葉や樹皮を伝い地表に浸透することで下層植生(低木の木やシダなどの植物)にあたる降水量が減ります。
下層植生や落ち葉も雨の勢いを受け止めてくれます。
二段階で勢いを受け止めることで、地面に一度で浸透する雨量を抑えます。
②樹木は根を広げ水分を吸収します。
根には地中深くに伸びる垂下根と地表と水平に向かって伸びる水平根があります。
根が深く伸びることで表層土の下にある岩や岩盤にまで届き、
広く伸びることで細かい地表上付近の土砂流出や岩に巻きつくことで落石を防ぎます。
立木は天然の杭の役割はたします。
機能を働かせるためには
健康な森林にするためには手入れが必要です。
人工林ならば植林、下刈りを行い樹種の成長を促進させます。
ある程度成長したら間伐を行います。
間伐を行うことで地表面に光が入り下層植生が育ちます。
きちんと手入れ管理することで土砂災害防止などの多面的機能を発揮します。
地面に浸透することで地表面が流されなくなり落ち葉が残ります。
落ち葉はバクテリア等が分解して最終的には樹木の養分となります。
植物がよく育つ森林は腐葉土が厚いです。
土壌保全機能は森林の生産機能を高め土壌を安定させます。
森林の手入れ管理以外にも防止対策が
森林の手入れを行い土砂災害防止/土壌保全機能を働かせるのは時間がかかります。
特に近年の異常気象を考えると緊急で防止施行(山腹工事)を行わなければならない場所もあります。
よく、山沿いの斜面をコンクリートで補強している箇所を目にすると思います。
森林を手入れ管理を行うのことを病院で例えると内科、緊急性が高い箇所を補強する山腹工事は外科になります。
自分たちで行えること
森林の機能についてお話しして来ましたが土砂災害防止/土壌保全を完全ではありません。
自然は強大でどんなに予防していても災害を防ぎ切れない場合があります。
万が一に備えて住んでいる地域のハザードマップは確認しておくと良いと思います。
また避難経路の確認や緊急連絡先を家族で確認、共有し合う必要があります。
いかがだったでしょうか
森林の土砂災害防止/土壌保全機能についてお話ししました。
適正な管理を行えば森林は私たちにとても過ごしやすく癒しの環境を提供してくれます。
地球温暖化によって今までとは違う気候になって来ました。
今までの想像を覆すことが起きても不思議ではありません
少しでもリスクを減らし備える必要があると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。