こんにちは、ナカイです。
森林で作業するときにベルトにつけていくものがいくつかあります。
それは腰袋、ノコ、ヨキです。
腰袋には飲み物やクサビを入れて作業をします。
クサビを打つ時、僕はヨキを使いますが人によってはショックレスハンマーを使う人もいます。
今回は森林で使う道具シリーズ第2弾、森林に持って行く道具について紹介していきます。
先輩の方から聞いた話が中心なので説明が足りなかったらすみません。
伐採の手順はこれだ!林業従事者が伐倒時に使う道具と木の切り方紹介
鋸(ノコ)
鋸(のこ)は必需品の1つです。
もしかしたら皆さんがイメージする鋸は大工が使うような製材用のノコギリかもしれませんが林業では生木用の鋸を使います。
鋸の使い方は皆さんもご存知の通り枝を切ったり小径木を伐採するときに使います。
チェンソーが手元に無い場合や燃料切れを起こして使えなくなってしまったときに多少のことであれば鋸で解決できます。
僕はチェンソーの刃が石や地面に当たると刃が欠けて切れ味が落ちてしまうので、造材する丸太が地面に接している部分やチェンソーが挟まれてしまうような細い部分は鋸で切ります。
林業用で使うノコにはカットソーとカーブソーの2種類あります。
カットソーとはノコの刃がまっすぐなものを指します。
歯が真っ直ぐなので普段使う鋸と同じ感覚で切ることができます。
カットソーは木の径が大きくてもある程度は切削が可能なため断幹作業時にはカーブソーよりもカットソーを使います。
カーブソーは葉が湾曲しているノコを指します。
刃が湾曲しているため木や枝の丸みに接する刃が多くなり木への食い込みもよくカットソーに比べて切削が効率よく(少ない力で早く)行えます。
ナタ
腰ナタは雑草木を切ったり枝を打ったり、竹を割ったりなど様々な用途があります。
ナタは種類が豊富で今回紹介するのは刃が2種類、ナタの形状が3種類です。
刃は両刃と片刃の2種類があり、用途によって異なります。
まず何が両刃、片刃なのかというと刃の断面がV字なのが両刃でカタカナのレになっているのが片刃です。
両刃は押して切り、片刃は引いて切るイメージです。
なので森林内で雑草やツル、細い木を切るときは片刃、枝打ちなど左右で同じ動きをしなければいけない状況では両刃がオススメです。
ナタを森林内で使うと切れ味が落ちたり石などにぶつけて刃こぼれしてきます。
刃こぼれや切れ味が落ちてくると作業回数が多く体力が奪われ作業効率が悪くなるので定期的に砥石で研ぎます。
特に両刃は左右を同じように研ぎ、中心に刃の先端が来るようにする必要があります。
鉈の形は腰ナタ、エビ鉈、共柄鉈の3種類あります。
腰ナタは長方形のような形をしており、刃に重心があるのでそんなに力を入れずに切れます。
海老鉈は刃先に石があり万が一刃先が丸太や地面に当たっても刃こぼれしにくくなっています。
共柄ナタは刃と柄の部分が一体化している鉈で、通常の鉈のように使い続けていくと柄の部分が緩むといったことがありません。(林業関係者の方がよく使っているのを見ます)。
ヨキ
ヨキは地方で様々な呼び方があり、一般的には手斧と言います。
ヨキには3本と4本の線が片面ずつ入っており、3本線が御神酒(オミキ)を表し、4本線が四気(シキ)『地・水・空気・太陽』を指し、儀式を簡略化(軽量化)する道具でもありました。
ヨキは伐採時は楔を打ち込むハンマーの役割をし、刃の部分ではナタの代わりや伐倒時に樹皮がめくりあがらないように樹皮の切断も行います。
というのも、チェンソーを持ち替える乗って地味に手間で、楔を打ち込むのに使うヨキで切断してしまうこともあります。
伐採した木に土がついているとことを樹皮ごと叩き落としてから玉切りすることもあります。
森林内での伐採作業はできるだけ手持ちの荷物を軽くした方が動きやすいので一本で2つの役割を持つヨキを使う林業関係者は多いです。
販売されているヨキはサイズ・形も様々で用途にあったサイズを買う必要があります。
トビ
とびは古くから使われている道具でトビ〈トビ口(とびくち)〉と言います。
林業で使っているトビは針葉樹用で広葉樹用にはツルという道具を使います。
主に原木を移動運搬集積する際に使う道具で1.5m程の柄に鳶のくちばしのような金属がついています。
ユニック等で原木を集積する際にトビで重い原木を回したりずらしたりします。
江戸時代には消防が火災時に火が周りに燃え広がらないよう周りの建物を引き倒すのに使われていた道具でもあります。
機械が導入される以前は木材の搬出を馬で行っていた地域もあり運搬途中に原木が株などの障害物に引っかからないように木材をコントロールしてました。
木の運搬は基本的に機械が行いますが機械が入れないような現場では今でも丸太を動かすときに使います。
最後に
いかがでしたでしょうか?
林業で使う道具について書きました。
聴き慣れない道具もあったかと思います。
僕は初めてトビを現場で使った時は使い方の工夫(原木を回したりずらしたり)ができませんでした。
僕の曽祖父が木こりだったんですが、曽祖父が使っていた道具部屋の中にもトビや鉈、ヨキがありました。
技術が発展していく中で昔の道具か今尚林業では活躍しています。
日々使う道具はしっかりメンテナンスを行うことが大切で刃についた汚れ(木屑やヤニ)や目立てなどをすることで長く使うことができます。
気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメントしてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。