クサビは林業や特殊伐採、造園ではよく使われている道具で、なくてはならない道具の1つです。
軽量で比較的サイズも小さく、持ち運びがしやすいため腰袋やポケットなどに入れてどこでも持っていけるのが、多くの作業員に使われている理由です。
クサビが2つもしくは3つ携帯していれば無駄な労力も使わず伐倒や薪割りなどできるのがこの道具の良い点です。
今回はそんな便利な道具であるクサビの種類と使い方を実体験を通して紹介していきたいと思います。
目次
クサビとは
クサビは基本的に三角形で車輪止めやドア止めに形状が似ています。
先端が尖っているため、木材の割れ目に差し込みクサビを叩くと周囲に力がかかり木材が裂けていきます。
伐倒では追い口にクサビを差し込み樹木の重心を移動させることで狙った方向に倒すことができます。
また、掛かり木になった時に追い口部分を押し上げることで掛かり木を外すことにも使用されます。
そのほかにも、チェンソーが樹木に挟まった時や薪割りで割り辛い時などにも使用されます。
クサビをハンマーなどで叩くことでとても重い樹木を持ち上げたり、人力では引き裂けないような丸太を割ることができる優れもので、小さな力で大きなものを動かすことができる林業道具です。
昔のクサビは木材?
プラスチック製のクサビが出回り始めたのは20〜30年前で、その前までは現地の木材で作成していました。
現地で出た木材を自分で削り、クサビを作って使用していたそうです。
その時代ではハンマーではなくヨキで、今で言う斧を持っていき木製のクサビを打ち込んでいました。
なので、初めてハンマーを山に持っていくようになったのはクサビが出回り始めてからだったそうです。
クサビの種類
林業では1日中、険しい山を歩くので出来るだけ軽量で荷物を済ませるようにクサビは樹脂製の物が多く使用されています。
樹脂製のクサビはサイズの種類が多いため、樹木の状況や荷重のかかり具合などから使い分けができます。
また、伐倒時や玉切りの際にチェンソーの刃がクサビに当たってしまうことがあるので、その時にできるだけ刃が痛まないように樹脂製のものを使用しています。
樹脂製のものでも刃に当たると両者とも痛むので、できるだけ当てないように心がけてください。
金属製のクサビは薪割りに使うことが多いです。
重量は樹脂製よりもとても重く山に持っていくには不向きですが、樹脂製に比べて丈夫なので枝の節など粘りのあるものや広葉樹の硬い丸太でも安心して打ち付けられるのが金属製クサビの良い点です。
形状は樹脂製のものとは異なるものが多く、V字をひねったような形のクサビもあります。
石用のクサビは三角錐型で先が鋭く尖っているものが使用されますが、薪割り用として使われているのはV字の捻りクサビです。
理由としては、石は割れ目が入るとすぐ半分に割れますが、丸太は粘りがあるので裂け目が入ってもすぐには割れません。
継続的に荷重をかけないと割れないので、食い込んだ時にできるだけ割けやすくなるような形状のV字、ねじりクサビになっています。
選ぶポイント
クサビも種類が多いので購入する際に選ぶのが大変だと思います。
クサビを選ぶ時のポイントを3つご紹介します。
用途
何にクサビを使用するかを明確にしてください。
樹木の伐倒に使用するものと薪割りで使用するものではクサビの種類が違うので、そこを明確にすると比較的簡単に選ぶことができます。
素材
素材は樹脂製と金属製があります。
樹脂製は軽いので持ち運びが多い時に使用するのが向いており、金属製は重たく頑丈なので丸太を割る時などに向いています。
チェンソーを近くで扱うには樹脂製がよく、鉄製だとソーチェーンを痛めてしまいます。
他の道具の使用にも関わってくるので何の道具と一緒に使用するのか今一度考えてみてください。
形状
クサビの種類で解説しましたが、形状もかなり異なります。
まっすぐな形状のものからねじれがあるもの、細いもの、面が広いものまで、数多くあります。
用途を明確にした上で1番能力が発揮されるクサビを選んでください。
最新のクサビ
今まで一生懸命クサビをハンマーで打ち込んでいましたが、現代では小さな力、さらには自動で行えるシステムが開発されています。
紹介する近代的クサビはクサビジャッキと特殊クサビです。
クサビジャッキ(油圧式)
手動でレバーを動かすと油圧でクサビが開いていくクサビジャッキになります。
重量は約6kgあり長時間持ち運ぶには重たいですが、簡易的で力のある道具になります。
特殊クサビ
インパクトレンチで自動的にジャッキアップしてくれる特殊クサビになります。
どんな重い樹木でも伐倒することができます。
また、インパクトレンチを抑えておくだけで良いので時間と労力が節約できます。
近代的なクサビは普通のクサビと比べて高価ではありますが、皆伐の現場など伐倒対象木との距離が短い時に使用すると道具の能力を十分に発揮するでしょう。
オススメのクサビ
ハスクバーナ 伐採用クサビ
14cm・20cm・25cm
ハスクバーナが出している滑り止めがないシンプルな伐採用クサビです。
サイズは3種類あるので用途に合わせて購入してください。
玉切りなどで隙間を確保したいときや重ねて使用する時に向いています。
伐採用クサビ 滑り止め付き
22cm/27cm
上記のクサビとは違い滑り止めがついているクサビです。
伐倒する時に使用するには滑り止めがついていた方が確実にクサビを打ち込むことができます。
打ち込み最中に飛び出てくる可能性もあるのでこちらの方が安心して使用できます。
玉切り用クサビ
14cm
上記のクサビとは大きさが異なり小さめのクサビになります。
チェンソーが挟まるのを未然に防ぐことや挟まった時に取り出すために取り扱いしやすい小さめのクサビです。
現場では大中小とクサビを持っていくのが基本的で、木の太さによって変えることができるので作業の効率も上がります。
ハスクバーナ 薪割り用クサビ
20cm
金属製薪割り用のねじりクサビです。
形状がねじれているので普通のV字よりも丸太を裂いてくれます。
大きな節も容易に割ってくれるので斧で割るよりも断然楽に行えます。
薪割りする方は持っておきたい道具の1つです。
重たいので足元に落とすととても痛いです。
薪に差し込むときはしっかりと切れ目を入れてからハンマーで叩くようにしてください。
付属で持っておきたい道具
伐倒でクサビを使用するのであればハンマーかブレイキングバーが必須になります。
私たちが普段使用している中で利便性が優れている種類を紹介します。
山仕事をする時には軽量なショックレスハンマーがおすすめです。
ショックレスなので一回の打ち込みで効率よくクサビに力が伝わり、早く打ち込むことができます。
私が現場で使用しているのもショックレスハンマーで、腰袋に入れても軽量なのでお腹や腰が痛くならずに済みます。
インパクトバー
現場で使用している道具の1つで、ブレイキングバーとクサビを打ち込むインパクトヒールが合体した林業道具です。
伐倒する時にはクサビだけでなくてこの原理を使用してインパクトバーを使用した方が効率が良い場面もあります。
さらに、クサビの打ち込みもできるので作業中に携帯していると便利な道具になります。
最後に
クサビは伐倒や玉切りをする際とても役に立つ道具で、持ち運びも容易なので多くの方に使用されています。
弊社では間伐施業にも取り組んでおり、山仕事で便利な道具も数多く使用しています。
今回の記事を参考に便利な道具を探し求めてみてください。
アーボプラスはお客様のご要望を聞き予算の中で最大限お客様の利益になるよう提案・作業しています。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。