こんにちは、ナカイです。
コロナウイルスの影響によって輸入材が日本に入って来なくなり、国産材の需要が高まった結果国産材の価格か高騰するウッドショックが起こりました。
日本は国土の7割近くが森林であり、森林率は世界21位(先進国の中では3位)です。
身近に森林を感じることが多いのではないかなと思います。
しかし、世界では森林面積の減少が問題となっています。
森林面積の減少理由の1つは森林火災です。
森林火災については別の記事で紹介しているので興味のある方はぜひ読んでください。
規模が違う⁉︎世界の森林火災の現状。今もどこかで燃えている。(前編)
規模が違う⁉︎世界の森林火災の現状。今もどこかで燃えている。(後編)
森林減少が問題となっていますが世界の森林面積をご存知でしょうか?
また日本は森林面積がほとんど変化しておらず森林蓄積量が年々増加しています。
今回は世界の森林面積と日本の蓄積量について紹介します。
減少しつつある森林、世界の森林面積と理由
日本は国土の7割が森林であり、私たち日本人も森林が身近な存在と感じています。
世界全体で見ると森林面積は約40.3億haで陸地の約31%を占めています。
近年、熱帯を中心に人口増加・農地拡大等で森林の過度な伐採が行われており2010年〜2015年までの5年間で毎年330万haの森林が減少しています。
特に現在森林が減少しているの国はブラジル、インドネシア、ミャンマーです。
3ヵ国の中でブラジルは特に深刻であり、2010〜2015年の5年間で毎年98.4万ha減少しています。
他の2カ国もそれぞれ68.4万ha・54.6万haと減少はしていますが、ブラジルほど急速に森林は減少していません。
一方でアジア・ヨーロッパ等を中心とした温帯林では森林の増加しています。
近年森林が増加している上位3カ国は中国・オーストラリア・チリです。
最も森林面積が増加しているのは中国は2010〜2015年の5年間で毎年154.2万ha増加しています。
オーストラリア・チリも毎年30.8万ha・30.1万haずつ増加しています。
世界全体で見ると森林面積増加量以上に減少しています。
日本のように国土の50%以上が森林に覆われている国は226ヵ国のうち60ヵ国しかありません。
森林国、日本は森林面積ではなく蓄積量が年々増加?
ここまで世界の森林面積について紹介してきました。
日本は昭和41年以降多少の増減はあるものの森林面積(2500万ha)を維持しています。
森林面積は何十年も変化がありませんが、森林蓄積量は年々増加しています。
森林蓄積量とは主に森林資源を指します。
樹木は日々成長しており、少しずつ太く大きくなっていきます。
樹木が成長・太くなるごとに森林蓄積量は増加するため森林蓄積量が多い・増加していることは木材として利用できる部分が増えてきているということです。
日本の森林蓄積量を活かしきれていない
林野庁は5年毎に森林蓄積量を計測、発表しており2017年(現時点の統計データ)に林野庁が発表した日本の森林蓄積量は52億4200万㎥です。
この森林蓄積量は年々増加しており、前回発表された2012年では49億100万㎥だったため、5年で3億4100万㎥も増加(1年間で6820万㎥増加している計算になります)しています。
最も古いデータの昭和41年では18億8700万㎥しかなかったため50年間で約2.8倍になりました。
森林蓄積量が年々増加している理由は人工林の蓄積量が増加しているからです。
戦後ハゲ山となった山地に先人が植林した樹木が成長し、現在の森林蓄積量になりました。
しかし、年々増加傾向にある一方で太く大きくなった樹木が伐採・搬出されていないのも事実です。
担い手が少なく全国の森林に手が回せていないため搬出に限りがあります。
現在日本は太く木材として使える樹木を搬出できていません。
日本の森林蓄積量を世界の林業国と比較
日本の森林蓄積量について紹介しました。
では世界の森林国の森林蓄積量はどのようになっているでしょうか?
日本が林業の手本の1つにしているドイツから紹介します。
ドイツは日本の半分程の森林面積(1141万ha)があり森林蓄積量は330㎥/ha(37億6530万㎥)あり、日本の森林蓄積量の0.7倍です。
日本の半分ほどしか森林が無いですが、ドイツの森林蓄積量はヨーロッパの中で最も多く森林面積の36%は80〜180年生の大径木が多い森林です。
日本はヨーロッパで最も森林蓄積量が多いドイツよりも多いんです。
上記で紹介した中国の森林蓄積量は175億㎥と日本の3倍以上です。
中国は世界で最も森林面積・蓄積量が増加している国です。
世界的に見てもアジアは森林が多く植生に恵まれた国が多いのが特徴です。
最後に
今回は世界の森林面積と日本の森林蓄積量について書きました。
日本では年々樹木が太く大きくなっていますが、近年は太く大きい原木ではなく40〜60年生ほどの原木が求められています。
数十年前は太くて良い原木を市場に出すのが良いとされてきましたが時代とともに変化してきました。
日本は森林資源が多く豊富な国です。
私たちは森林を残してくれた先人に感謝し日々作業しています。
気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメントしてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。