依頼内容
京都御所内に生えている危険木の伐採依頼をいただきました。
伐採対象木
伐採対象木は京都御所内に生えているエノキ2本で、どちらも胸高直径が1mほどあります。
樹木医の方が専用の装置で測定したところ樹幹の50%が空洞という結果が出ました。
樹幹に大きく空洞が空いていると台風等で樹木が折れて倒伏してしまったり、枯れが進行していくことで樹木自身が自重を支えられなくなり倒伏し、周囲の建造物や通行人を巻き込んでしまう危険性があります。
伐採対象木周辺状況
伐採対象木は御所内に生えており、周辺には様々な樹木が生えています。
周辺の樹木はできる限り傷つけないようにしなければなりません。
また、伐採対象木の枝下には通路があり通行人が通ります。
作業風景
今回の現場は伐採対象木付近までクレーンが入れたため、クレーンでの伐採作業になりました。
始めに通路の上にまで伸びている枝から伐採していきます。
伐採対象木の樹上にクライマーがロープワークで登り伐っていきます。
伐る枝が決まったら枝にスリングを付けクレーンでスリングを張ります。
クライマーがつけられないような枝先はクレーンのゴンドラからつけます。
準備ができたらクライマーが伐りクレーンで土場まで下ろします。
枝を切り終えたら幹に取り掛かります。
下ろした枝や幹は下の作業員が造材を行い運搬していきます。
降ろされた枝・幹の中にコンクリートが入れられていました。
これは昔の樹木医が行った治療で、穴の閉塞材として使われていました。
現代ではコンクリート等を使用した治療方法は行われていませんが、樹齢の大きい老木・高木には見られます。
今回の現場でも、クライマーが枝を切っている最中に中のコンクリートにあたりチェンソーの切れ味が落ち、交換する羽目になりました。
中に入っていたコンクリートは土場で細かくして全て出しました。
クレーンで吊れる重さになったら根元から伐採していきます。
クレーンで吊った際に裂ける危険性があったため荷締めベルトで固定しました。
奥のエノキの伐採が終えたら、門に近いエノキの伐採を行います。
クライマーがロープワークで樹上に登りクレーンで吊って下ろします。
門に近いエノキは今回伐採する樹木の中で一番大きいです。
枝から順に伐採を行い、クレーンで吊れるサイズに伐っていきます。
枝でも幹に近い部分になるとかなりの太さになります。
最後は根元から切っていきます。
伐採対象木が大きいので切りながらクサビを打ち込んでいきます。
クサビが樹木の重さで切り口が閉じチェンソーが挟まれるのを防ぎます。
伐採した樹木を見ると大きな空洞が開いてました。
株にも空洞が開いており人1人が入れる大きさでした。
最後に
今回は京都御所内に生えているエノキの危険木伐採でした。
通行人も多く通られる通路での伐採だったので、通行人に配慮しながらの伐採でした。
伐採した樹木には先人が行った施術の跡もあり当時の最先端技術が使われていました。
樹木は長い年月を生きているので、先人の技術の歴史を感じることができます。
今回の現場に今年の4月から京都府立林業大学校に入学する学生がバイトに来てくれました。
入学前から現場の見学をしたいと意欲的で弊社に連絡をくれました。
アーボプラスは予算の中で最大限お客様のご要望に応えられるよう提案・作業しています。
危険木や支障木の伐採を考えている方はぜひ弊社にお問い合わせください。