林業では当たり前⁉︎チェンソーに欠かせない目立てとは?メリットを紹介

 

 

こんにちは、ナカイです。

森林での間伐や市街地での危険木・支障木伐採など林業に欠かせない道具がチェンソーです。

チェンソーは林業以外でも造園・土木・農業など様々なところで使われています。

チェンソーを使った後は整備が必要で、木屑を落としたり、バーを上下入れ替えたり、目立てしたりとしっかり行うことでチェンソーの寿命が長くなります。

しかし、チェンソーを使っている方の中には目立てを知らない・行っていない方がいます。

僕は去年の年末に餅米を蒸す際にを使ったので、来年用に知り合いの山で薪になる木材を取らせてもらいました。

その時、僕が使っているチェンソーを見て「〇〇チェンソーさんに研いで貰ったんか?」と聞いてきました。

「自分で研いでるよ」というと「自分でできるのか?」と驚いていました。

林業では目立てを自分で行うのが当たり前です。

今回は林業では当たり前の目立てについて紹介します。

チェンソーを使う上で目立ては当たり前

チェンソーの刃物を研ぐことを目立てと言い、林業関係者全員が目立てを自分で行っているといっても過言ではないと思います。

チェンソーは樹木を伐る(切る)道具でチェンソーを毎日扱う側からすると目立ては常識といえます。

料理に使う包丁の切れ味が落ちてきたら研ぎますよね。

しっかり研げている刃物は力を入れずとも簡単に切れるじゃないですか、これはチェンソーにも共通しています。

しかし、作業前や昼休憩に目立てをしていると近所の方や土木でチェンソーをたまに使っている方から「何してんの?」と質問されることがあります。

目立てを行うメリット

目立てを行うことで切れ味が戻ります。

チェンソーはこの切れ味が何よりも大事なんです。

「切れ味くらい?」と思うかもしれませんが、切れ味が落ちることで様々なデメリットが生じます。

  • 切削スピードが遅くなり作業スピードが遅れる  
  • 1本の樹木を伐採する燃料消費が増える
  • 切削時間が長くなるためチェーンが摩擦により焼き戻り(ソーチェーンの硬質化)が起きるためヤスリが効かなくなり目立てができなくなります。
  • 切れ味が悪く力を加えて切削しようとするためエンジンに負担がかかり寿命が短くなる
  • 切れ味が悪いため、早く切ろうと力をチェンソーに加えるため思わぬ怪我につながる
  • 力を入れた状態での長時間の使用は振動病になるやすくなる
  • 長時間、チェンソーを回すことは難聴になりやすい

このように切れ味が落ちたチェンソーを使い続けていると怪我・病気のリスクが高まってしまいます。

良い目立ての証拠

僕はソーチェーンが1番いい状態(切れ味が高い)が新品の時だと考えています。(新品の刃以上の切れ味に目立てできたことがないので)

チェンソーの切れ味にこだわりがある人は新品のソーチェーンでも目立てを行ってから使う人もいます。

なので使い始めた時の感覚を覚えておいて、目標にするのがいいと思います。

「休憩中や作業終了後に目立てをしっかり行ったけどちゃんと研げているか不安・何が正解かわからない」と思うかもしれません。

現場で先輩に教えていただいた、良い目立てかどうかの条件(確認の仕方)が『造材の際、チェンソーの重み(エンジン)だけで刃が沈んでいく』『真っ直ぐ切っていくときに斜めになっていない』『』の3つです。

造材の際、チェンソーの重み(エンジン)だけで刃が沈んでいく

目立てがしっかり行えていれば樹木は力を入れなくても切れてしまいます。

インターンシップ中に先輩が貸してくれたチェンソーを使って造材した時は衝撃的でした。

まるで豆腐の上に包丁を置いたみたいにチェンソーが沈んでいくんです。

その当時、造材の時(特に大径木)はチェンソーを多少押し付けてるのが当たり前になっていたので目立てが足りないんだなと感じました。

真っ直ぐ切っていくときに斜めになっていない

チェンソーの刃は左右交互についているため片刃をいかに上手に目立てしても、もう片刃の目立てがいまいちだと切り口が斜めになってしまいます。

なぜ斜めになってしまうかというと、片刃はよく切れるのでどんどん切削していきますが目立てがうまくいっていない刃は切削量が少なくなるので、よくきれる片刃の方に曲がっていきます。

また、刃が一定以上の短さになった場合デプスゲージを下げます。

左右で刃の長さが均等でないとデプスゲージの高さも異なります。

デプスゲージの高さが異なると切削の厚みが変わるため片側だけ切削する樹木が厚くなり切り口が曲がっていきます。

曲がってしまうと、造材時に小口が曲がってしまったり、伐採時に受け口がうまく合わないといっとこともあります。

真っ直ぐ切るには左右の刃の長さが同じで、同じように研がれていことが大切なんです。

木屑が長い

CREATOR: gd-jpeg v1.0 (using IJG JPEG v62), quality = 100

目立てがしっかり行えているチェーンで切削を行った場合、木屑が長くなります。

なぜ、木屑が長いと目立てがしっかり行えている証拠なのかというとチェンソーの刃は左右交互についています。

目立てがしっかり行えているチェーンは、左右の刃の長さ高さ角度が同じなため一本の長い刃と同じになるので長い木屑が出てきます。

また、長い木屑が出てくるということは1度に切削する量が多い証拠でもあるので切削スピードが上がります。

僕は林業大学校の実習中に友人とお互いの木屑を見比べたりしていました。

最後に

目立ての重要性について書きました。

チェンソーは刃物です。

目立てを行わなければ切れ味は落ちどんどん切れなくなります。

チェンソー屋さんに目立てをお願いしている方もいますが毎回1000円から2000円ほどするのを考えると少なくともチェンソーを使う方は目立てを自分で行った方が費用を安く抑えることができます。

目立ては林業では当たり前ですが知らない方もいます。

伐採技術同様に目立ても何年も行うことで上達していきます。

目立てを自分で始めようと考えている方はメーカーが販売している目立てセットや目立てゲージを使うのも良いと思います。

気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメントしてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。