今までの集成材とは違う?CLT(直交集成材)ってどんな機能があるの?

 

 

こんにちは

新人木こりのナカイです

突然なんですが日本の建造物の何割が木造建築物かご存知ですか?

住宅と非住宅(オフィスや公共施設など)を別々に見ると住宅が55パーセント、非住宅が9.6パーセントです

階層別で見ると住宅は1〜3階が8割だが非住宅では全体の1割以下でした。

4階建て以上の建物においては住宅、非住宅ともに木造建設物は1割にも満たないです。

近年、日本では公共施設に木材を使うことが増えてきました。

日本ではあまり見られませんが近年ヨーロッパでは木材を使った中高層建築物が建設されています。

多くの木造建造物がCLTをつかっています

「CLTって何?」と思う方もいると思います。あまり日常であまり聞きなれない言葉だと思います。

CLTとは?

CLTとはCross Laminated Timber(クロスラミネイティッドティンバー)の略で

板の繊維方向を十字に交差するように重ね、接着剤をつけた材料です。

1995年頃にオーストラリアを中心に発展し現在ではヨーロッパ諸国や欧米で使われています。

ロンドンではCLT建造物が350棟あり9階建ての集合住宅

オーストラリアのメルボルンでは10階建ての集合住宅が作られています。

日本でも2013年に製造規格が制定され2016年に建設基準法告示が公布施工されたため

一般建造物でも利用が可能になりました。

CLTメリット

耐震機能

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日本に住んでいる僕からすると地震は必ず起きるものと考えています。

だからこそ日本の構造物は耐震かどうかが重要です。

なのでCLTの耐震効果が気になるりますよね?

せっかく建てても地震がきて崩れてしまっては意味がありません。

CLTの耐震性能については、国土技術政策総合研究所で行われた国産スギCLTパネルを使用した5階建て想定の実験で、

阪神・淡路大震災と同等の揺れを起こしたが目立った損傷見られず十分な耐震安全性能があると証明されました

CLTを使い建造物を立てる際

現在木造住宅で多く使われている柱材のように一点で支えるのではなく面で支えるパネル工法や

従来の軸組工法にCLT水平力のみを負担する壁や鉛直力のみを負担する壁など両方で建物を支える軸組工法とCLTパネル

下層を鉄筋コンクリート構造にし、上層にCLTを用いる混構造などの方法があります。

また、コンクリートと同等の強度を1/2の重量で持つことが出来るので建物全体を軽量化することができます。

ロンドンでは9階建ての集合住宅(1階部分のみ鉄筋コンクリート構造)の2階以上のCLT部分を

なんと1階あたり4人/3日で施工出来たそうです。

また、CLTを内装材に使うことで利用者のリラックス効果につながります。

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耐火機能

「木造建造物って火事になったらすぐ燃えそう、鉄筋コンクリートの方が安全なんじゃなんじゃい?」と思いますよね。

木材厚板は火災時に表面が炭化層になるためCLT内部まで燃え切るのには時間がかかります。

厚さ90ミリのCLTは燃え切るのに1時間以上かかることがわかりました。

施工時に燃える部分(燃えしろ)を考え設計を行えば建物が崩れる時間を稼ぐことができます。

木材は時間に比例して強度が落ちて行くため消火後に建物が崩れるかどうかの判断もできます。

断熱性

また、木材は熱伝導率がコンクリートの1/12なので断熱性が高いです。

CLT厚さ10センチメートルと厚さ1.2メートルのコンクリートが同じ断熱性なんです。

他にもCLTで作られた建物を燃やしたところ、1時間後に仕切っていた防火扉が燃えるまで、火災中の建物が最高1000度に達するのに対し、仕切っていた隣の部屋は18度で温度変化がなかったという実験結果もあります。

CLTは最大で3×12メートルの板を作ることが可能で加工もしやすいため工場でプレカットし、搬出することで現場では組み立てる作業のみになります。

コンクリートよりも軽いため運搬コストが抑えられるのも魅力です。

CLTは耐震、耐火、断熱に優れ扱いやすい材料です。

デメリット

CLTのデメリットとして最も大きいのは鉄筋コンクリート造りや鉄骨造りに比べ材料費が高い事です。

また、4階以上の建造物になると耐火建築物となり構造部には耐火性能に1〜3時間必要なため壁面に石膏ボードを貼る必要があります。

日本にはCLTパネル工法の経験のある建築士や施工会社、製作工場が少なく、CLT自体も新しい材料のため接合方法や建て方が完全には確立していないなど課題がまだまだあります。

最後に

いかがだったでしょうか

CLTについて書かせてもらいました。

日本は木材の搬出率が少なく安定した量が供給できていないなどの課題もあります。

より多くの木材が付加価値を持って利用されるようアーボプラスも貢献していきたいと思います。

気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメント下さい。

最後まで読んでいただきありがとうございました。