こんにちは、ナカイです。
熱海での土砂流出はかなり問題になりました。
建設残土等を積んでいたために降水時に土砂がくずれ街まで流れ出てしまいました。
健康的な森林には土砂災害防止機能があります。
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一方で人工林は手入れを行わないと荒廃してしまいます。
荒廃した森林では木々が枯れてしまい土砂を雨から遮るものがなく災害が起きてしまいます。
災害が起きた時のために日本全国の山林に砂防ダム・治山ダムが建設されています。
砂防ダムや治山ダムという言葉を1度は聞いたことがあると思いますが、それぞれの役割や違いをご存知ですか?
僕は専門学校で学ぶまで砂防ダムと治山ダムは同じ建造物だと思っていました。
今回は砂防・治山ダムについて紹介します。
砂防ダムとは?
砂防ダムとは砂防法に基づき国土交通省が管轄した各地の地方整備局や都道府県の土木系の部署か建設したものを指します。
砂防ダムは全国に建設されており、流域における荒廃地域の保全、河床上昇防止、土砂災害発生時に人民や財産等を守ることを主な目的としています。
砂防ダムを建設することで様々なメリットが生じます。
砂防ダムの種類
砂防ダムの形は主に透過型砂防ダムと不透過型砂防ダムの2種類あります。
不透過型
不透過型は常日頃から土砂が溜まっています。
土砂が貯まることで河川の勾配が緩くなり川底の侵食を防ぎます。
また、土砂で一杯になっても、土砂が溜まっている影響で勾配が緩く土砂災害時は土砂の一部がさらに溜まります。
このような砂防ダムを山林内にいくつも作用することで土砂の勢いを抑え街に被害が出ないようにします。
透過型
透過型の砂防ダムは鉄格子やスリットのようになっているため、通常時は河川の障害にはなりません。
そのため、不透過型のようにダム内に土砂を蓄えて河川の勢いを抑えるような効果は少ないです。
しかし、台風や豪雨によって大きな岩や流木を含んだ土砂災害が発生すると大きな岩や樹木などが透過型砂防ダムに引っ掛かり土砂災害を止めます。
災害後、ダムに溜まった土砂は次の土石流に備え撤去します。
侵食抑制・水流抑制
砂防ダムを設置することで水の勢いが落ち川底に土砂(堆積の大きい石)が溜まります。
ダムに土砂が貯まることで水が河床を侵食するのを防ぎ下流域への土砂の流出を防止します。
また、砂防ダム内に溜まった土砂が障害となることで河川の勾配を緩やかにし水の勢いを抑えます。
渓岸の崩壊防止
砂防ダムを建設することでダム内に土砂が堆積し河床が上昇します。
上昇することで河川付近の山腹(斜面)が固定され崩壊しにくくなります。
土砂が堆積していくと川幅が広くなり水の勢いが弱くなります。
大量土砂の放出防止
普段からダム内に土砂を堆積させることで河床侵食防止や河川の勢いを抑制など様々な働きをしています
土砂災害発生時はダム内に土砂を蓄えることで流れる土砂の量を減らします。
災害時ダム内に堆積している土砂がある場合、土砂を多くは受け入れられないが蓄積した土砂によって河川の勾配が緩くなっているため土石流の勢いを減少させます。
ダム内に土砂が溜まっており緊急的に除去が必要と判断された場合は、取り除かれます。
治山ダムとは
治山ダムは森林法に基づいて林野庁が管轄している各地の森林管理署や都道府県の林業系の部署が建設するものを指します。
砂防ダムが土砂災害防止が目的なのに対し、治山ダムは森林の維持が主な目的です。
そのため、土砂が流出し荒廃してしまった渓流や地滑りや表層崩壊など斜面崩壊した場所の下流に設置されます。
治山ダムの効果
砂防ダムの多くは建設完成時点でダム内が満砂状態です。
そのため防砂ダムのように土砂を蓄え災害を防ぐのではなくマンサの状態で河川の水量や向きをコントロールして森林の保全を行っています。
傾斜が激しく流速の速い河川では河床を侵食し下流に土砂が流れていきます。
上流では土砂崩れや樹木の倒伏など様々な被害が出ます。
治山ダムを崩壊地に設置することで斜面が固定され崩壊地の拡大を防ぎます。
以前土砂災害などに寄って流れ堆積した土砂は治山ダムがを建設することでその場に固定されます。
河床の侵食や斜面の崩壊防止、不安定土砂の固定など様々な効果によって水の流れるコースが固定され上流部では渓畔林など植生が豊かになります。
最後に
砂防ダム・治山ダムについて書きました。
砂防ダムと治山ダムの違いは管轄が国土交通省と林野庁に分かれている以外に建築目的が異なります。
また、森林保全が目的の治山ダムに比べ土砂災害を抑制、防止する砂防ダムの方が構造上厚みがあり高く作られています。
砂防ダムと治山ダムの特徴を書いて比べましたが別の記事でそれぞれについてより詳しく書いていきます。
土砂災害に備えて砂防ダムを建設するのも大切ですが、土砂災害が起きないように森林の手入れ管理を行うのが解決方法の1つだと思います。
気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメントしてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。