見えない場所が病気に、、、根に異変が。樹木の病気のサインを見逃すな⁉︎

 

 

こんにちはナカイです。

前回と前々回に書いた木の病気シリーズ第3弾の根編です。

木も病気になる⁉︎放っておいたら枯れて危険木になってしまいます。葉に出ているサインを見逃すな←第1弾

木も病気になる⁉︎見逃さないで、枝・幹に出ているそのサイン。見逃して時間が経つと危険に←第2弾

今月も木が倒木して車が下敷きになったというニュースを見ました。

木の病気には根に症状が出る病気もあります。

しかし、根は土壌内にあるため目視で確認することが中々できません。

そのため気付かずに何年も経過してしまった木が、台風や突風によって突然倒れてしまい下に止めておいた車が、、、なんてことに

今回は、根の病気と原因、対策について紹介していきます。

根に症状が出る病気

根に症状が現れる白紋羽病(しろもんぱびょう)、ナラタケ病、根頭癌腫病の3つについて紹介します。

白紋羽病

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白紋羽病は根の表面に菌糸が絡みつき最終的に覆ってしまうため根が腐敗し、樹木自体が弱ります。

発症初期では外見に変化がないため気が付きにくく、葉が黄色く変色したり早い時期に落葉するといった症状が表れたときには多くの根が白くなっている場合が多いです。

そのため、防除作業が手遅れとなり枯死してしまうケースが多いです。

多犯性のため広葉樹(バラ、ツツジ、ウメ、カキなど)や針葉樹(スギ、アカマツ)に幅広く寄生し、他の菌類の寄生の原因にもなります。

原因

白紋羽病は土壌中に残っている被害根(以前白紋羽病に掛かった根)が感染源となり植栽した根に感染します。

そのため一度発生すると根絶させることが難しいです。

土壌内に空気がよく通り、温度が20〜25度、土壌内の湿度が容水量の70〜80%が菌が好む環境です。

対策

新たに苗を植えるときは病原菌がいない無病地を選ぶか、植える前に土壌消毒を行います。

乾燥や寒害、強剪定によって木が弱くなるのを防ぐことで菌の侵入を抑えます。

発病してしまっている場合は休眠時に根を掘り出し患部(腐朽部)を切り取り、薬品で根を洗浄します。

根を掘り上げる際にあげた土壌もまた殺菌剤を混ぜて戻します。

また、根まわりの土には完熟堆肥を入れることで木の健康を促進させます。

ナラタケ病

ナラタケ病にかかると大径木は徐々に樹勢が衰えていき全体が枯れます。

若年の木では急速に葉の色が黄色、褐色となる場合が多く周りの木を含んで集団枯死が起きます。

ナラタケ病の特徴は、白紋羽病と異なり根の表面が菌糸で覆われるのではなく根の樹皮下が菌糸で覆われます。

被害部に根状菌糸束がはびこるためキノコ臭がし、秋頃に根本からキノコが生えてきます。

原因

水分量が多い土壌の以前伐採を行った木の根株で菌の繁殖が行われており、密度が高かくなっている土壌や乾燥によってストレスがかかる土壌で発生しやすいです。

また、雑木林を伐採したところに植林した若年の針葉樹が発症し被害が団地状に広がります。

天然林では樹勢が衰えた老木からの発症が多いです。

対策

新たに植林を行う前にナラタケが生えていたかどうかを調査します。

調査した結果、植林地にナラタケがあった場合、以前倒した木や根株を除去します。

丁寧に掘り起こし根片を残さない様にすることで次の感染を防ぎます。

他にも土壌環境が過湿にならない様に排水などに注意して、場所によっては排水の良い土壌を作り根の周りに入れます。

根頭癌腫病

根頭癌腫病とは土壌細菌が植物に侵入し根や根元に腫瘍を作る病気です。

バラ・ナシ・ブトウ等がかかりやすい病気で、植物にできた腫瘍が栄養を奪い植物を弱らせます。

腫瘍ができた植物は弱るため実や花が付きにくくなり、果樹農家やバラ園にとっては大打撃です。

「バラが見られなくなったり、ナシが食べられないのは悲しい」と思った方いませんか?

実は季節の風物詩にも影響があります。

春に河川敷に咲いている桜の下で花見をしますよね。満開の桜を見ながら美味しい料理を食べる、、、幸せですよね。

しかし、サクラはバラ科なので根頭癌腫病にかかりやすく根頭癌腫病が広がると花見ができなくなってしまいます。

原因

根頭癌腫病の原因は土壌内に潜伏する土壌細菌で、傷口等から侵入し感染します。

病原菌は癌腫の表面で増殖するため、1度雨が降ってしまうと流れて土壌に潜伏し、次の感染を引き起こします。

そのため、根頭癌腫病がかかった樹木があった土壌では病原菌が潜伏しているため新たに植樹することが数年間できなくなります。

「病原菌だけ殺菌すればいいの?」と思いますよね。

病原菌を殺菌しても腫瘍は増殖してきます。

また、初期段階では発見しにくいという点もあります。

対策

ここまで読んでいただくと「何もできないじゃん、かかったら終わり?」と考える方もいると思います。

確かに根頭癌腫病にかかり長年発見されないと治療が困難なケースもあります。

そのため、予防が大切になってきます。

現在実用化されている予防方法は微生物農薬を使った殺菌予防です。

しかし、大量投入しなければならなかったり、土壌の細菌相が崩れてしまうなどの大きな問題点もあり現在も新たな農薬の開発が進められています。

最後に

いかがでしたでしょうか?

樹木の病気、根編について書きました。

根の部分は目に見えないため発見が遅れてしまうことが多いです。

専門家(樹木医)が見なければ気づかないこともあります。

アーボプラスは発見が遅れてしまい伐採を行わなければならない樹木の伐採を行っています。

枯れてしまった木はとても危険です。

放っておいたら、災害時に家に倒れてくることもあります。

家の木が危険木になっていたら早急に伐採してください。

その木は急いで伐採したほうがいい?災害時のリスクを減らそう。危険木について←危険木についてはこちらから

気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメントしてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。