林業に絶対欠かせないチェンソーパンツ。その効果と理由について紹介します。

 

 

 

森林内で作業をする林業は必要な道具が多いです。

チェンソーやヘルメット同様忘れたらその日1日作業できないのが防護ズボンです。

伐採作業から造材などチェンソーを使う作業には必ず必要な道具です。

今回は林業道具シリーズ第3弾、チェンソーパンツについて紹介します。

第1弾と第2弾が気になる方はチェックお願いします。

山の斜面は足袋がオススメ!足袋の魅力、メリット・デメリットを紹介←第1弾

伐採の時に使う道具とは?現場で活躍している道具を紹介します←第2弾

チェンソーパンツとは

林業大学校

チェンソーパンツとはチェンソーを使う際、下半身のけがを軽減、防止するために作られたもので正式名称は

切創防止用保護衣です。(現場では防護ズボンやチェンソーパンツと呼ばれています)

内部に特殊繊維が入っており、ソーチェンがパンツに当たると中から特殊繊維がでてきてチェンソーに絡まります。

その結果チェンソーの刃が足に届く前に回転が止まり怪我を防ぐ役割を果たします。

義務化

2015年より林業においてはチェンソー作業の際はチェンソーパンツの着用が義務化されていました。

2019年からは造園業や土木建設業などチェンソーを扱う全ての業務が対象になりました。

義務化の理由としてチェンソー作業では特に下半身に頻繁に近づくため怪我を負うリスクが高いです。

平成27年に厚生労働省が発表した労働災害原因要素の分析によるとチェンソーが原因で4日以上休業した創傷のうち下腹部への割合は6割にもなります。

チェンソーは木材を切断する上で非常に便利な道具ですが使い方を間違えると怪我につながります。

この着用義務は業務以外でチェンソーを使う方は対象外です。

しかし個人でチェンソー作業している中での死傷事故件数も多く、履いて作業した方が安全です。

種類

防護パンツはチャップスタイプとパンツタイプの2種類に分かれています。

チャップスは作業スボンの上から腰エプロンのように下半身の前側につけ、ベルト・チャックで足に巻きつけのに対し、パンツタイプはズボンと同じように履いて作業を行います。

林業関係者の殆どがパンツタイプを使用しています。

それぞれにメリット・デメリットがあるので紹介していきます。

チャップス

メリット

後ろ側の布がなくベルト・チャックでの固定のため着脱がしやすく短時間の作業に向いている

パンツタイプに比べ布が少なく通気性に優れている

ベルトやチャックのみの固定のためサイズ調整がしやすい

比較的安価

デメリット

メーカーや商品によって特殊繊維が入っているエリアが異なる

ベルトやチャックでの固定のため体への密着性が低く作業中に位置がズレる

パンツタイプ

メリット

通常のズボンと同様のため体との密着性が高いため長時間の作業でもズレることがない

ポケットが付いており小物などを入れる事ができる

下半身全てを覆われており安心感がある

デメリット

チャップスに比べて高価

通気性が低く夏場の作業では暑く重くなります(冬は暖かいです)

created by Rinker
オレゴン(Oregon)
¥12,500 (2024/11/21 14:20:43時点 Amazon調べ-詳細)

規格

チェンソーパンツの規格は・日本工業規格・国際標準化規格・欧州規格の3種類あります。

この3つの規格は、ほぼ同一の試験方法によって決められ、一定の速度で回転するカッターで当て、裏地を切らなければ合格です。

日本工業規格(2019年から日本産業規格と改称)は通称JIS(ジス)規格と呼ばれるもので、日本国家標準規格の1つです。

国際標準化規格(ISO規格)は国際標準機構(電気を除く工業規格を策定する民間の非政府組織)で決められた規格で、各国の輸出入に対して消費者から信頼を得るための規格です。

欧州規格(EN規格)はEU(ヨーロッパ連合)の地域において統一される規格で、非電気分野においてはCEN(欧州標準化委員会)が策定を行なっています。

この3つの中では欧州規格が一番検査が厳しく丈夫だと聞いています。

欧州規格ではクラスが1〜4に分けられており多くのチェンソーパンツがクラス1です。

クラス1は1秒間に20メートルのスピードで回るチェンソーで切った場合、裏地を傷つけないクラスになっています。

それ以上のクラスになると防護ズボンが厚く重くなり動きづらくなってしまいます。

チェンソーパンツを購入される際は仕事の内容やチェンソーの排気量に合うクラスを選んでください。

チェンソーパンツの使用感

一番右が飯島くんです。(彼が履いているのがSTHILのファッションエルゴズボンです)

チェンソーパンツは様々なメーカーで販売されており種類も豊富です。

履き心地や動きやすさなど個人差があり林業関係者でも使っているチェンソーパンツは様々です。

今回は10月にインターンに来ていた京都府立林業大学校の飯島くんに今使っているチェンソーパンツの感想を聞きました。

飯島くんの感想

私が使っているズボンはスチールのファンクションエルゴズボンです。

メリット履いて1年半ぐらい経ちますが、丈夫にもっています。

何回も洗濯はしていますが、ほつれたりすることもありません。

なので、作業中の安心感はとても大きいです。

また見た目がかっこいいです。

ここは重要だと思います。

かっこいいと作業のやる気も変わってくるかもしれません。

デメリットとしては、生地が丈夫な反面、ズボンが重く動きづらいです。

また生地が分厚いため乾くのに時間が掛かります。

私は学生なので仕事並に山で動き回ることはあまりないので今のズボンで納得していますが、いざ仕事となるともっと軽いものや丈夫なものが必要になってくるかもしれません。

安定した場所で行う作業や家で少しチェンソーを使う場合にはチャップスのような軽量で装着しやすいものを選ぶのが良いかもしれません。

逆に不安定な場所での作業や長時間の作業ではパンツ形式でより安全な防護ズボンを選んだ方が安心して作業できます。

それぞれチェンソーを使う場面が違うと思うので合ったものを選んで購入してください。

最後に

CREATOR: gd-jpeg v1.0 (using IJG JPEG v62), quality = 100

「チェンソーパンツなんて効果あるの?」と思うかもしれませんが、めちゃくちゃ効果あります。

DIYや畑作業でたまにしか使わないという方も購入することをオススメします。

例えるなら車の保険です。

車の保険も万が一に備えて入りますよね。

それと同じで万が一の時にチェンソーパンツを履いていることで怪我を防ぐ事ができます。

僕は学生の時にチェンソーパンツを切ってしまったことがありますが、履いていなければ太ももにチェンソーが当たっていて大怪我をしていたかもしれません。

チェンソーパンツは高いですが35000円のチェンソーパンツでも毎日3年間も使えば1日あたりは31円ほどです。

体を守るためには用意するべきものは用意する必要があると思います。

気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメントしてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。