株式会社アーボプラスでは特殊伐採という仕事を行っています。
「特殊」というからには普通に木を伐る「伐採」と違いところがいくつかあります。
今回はどう「特殊」なのかをご紹介したいと思います。
通常の伐採というと山の中で行われることが多いです。
そこは木々が並んでいる山のなかで、
鳥の鳴き声と風でざわめく枝葉の音だけが響く人の気配のない空間です。
あたりには建物や電線などはありません。
そういった場所で行う伐採はある程度自由に倒す方向を決められます。
また伐採方法も木こりのイメージそのままに、根本からチェーンソーの刃をいれてドーンと切り倒します。(木こりだと鋸とヨキのイメージですね。)
しかしもし伐るべき木が、家の近くの木だったらどうでしょう?
市街地の街路樹、庭木、公園やお寺の木はだったらどうでしょう?
建物も近く、人や車の往来もある場所です。
基本的に伐り倒すということができません。
傷つけてはいけない建物などに囲まれ限られたスペースでどう伐採するか。
そのときに「特殊伐採」が行われます。
単純に伐り倒すことができない木を、ロープやクレーンを使って木の先端から少しずつ切り分けていきます。
もちろん一度にドーンと倒してしまったほうが簡単なのですが、
建物に囲まれた木を安全に伐ろうとするとこのような方法になります。
※クレーンを用いた方法以外にいろんな方法があります。
重機や道具を使って~と簡単に書きましたがこれがなかなか難しい。
・どの順番でどこから伐っていくのか?
・どのように重機を配置するのか?
・どこから登りどこに降ろすのか?
・木の重心がどこにあり、重量はどれくらいなのか?
・より経済的は方法はどれか?
・・・
考えなければいけないことはたくさんあります。
しかも、
・建物が壊れる
・人の命が危険にさらされる
というリスクと常に隣り合わせの作業になります。
当然ひとつひとつの判断を慎重に行わなければなりません。
失敗が取り返しのつかない事故に繋がりかねないのです。
こういった部分が「特殊」なのでしょう。
また特殊伐採のご相談をいただく場合、木はたいてい「危ない木」であることが多いです。。
・家の裏の斜面に植わっていて、ずいぶん傾いている
・台風で根っこが起きていて、いまにも倒れそう
・老木で中が腐っているので、危ない
樹木は庭や街にもある身近な自然ですし、大きな木は眺めているだけでも不思議と生命力を感じます。が、やはり生き物なので寿命もあります。
そのときにきちんと看取ってあげることも大事だと思います。
これまで鳥・昆虫・人に親しまれてきた木が誰かの命や財産を脅かすのは悲しいことです。
木の生命を良い形で終えられるお手伝いが特殊伐採でできると思っています。
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