国土の7割を占める森林を所有者ごとに分類?国や企業か所有する森林を紹介します

 

 

こんにちは、ナカイです。

日本の国土は7割が森林です。

この値は先進国では3位、世界全体で見ても21位と高く日本は自然が豊かな国といえます。

僕が働いている京都も3方を山に囲まれています。

森林は樹種、面積、人工林、所有者など様々な条件で分類することができます。

今回は日本の森林の分類(所有者)について紹介します。

森林

日本の森林は大きく分けて国有林と民有林の2種類あります。

国有林

国有林とは日本政府によって手入れ・管理、保護されている森林のことを指し日本の森林の31%(766万ha)を占めています。

国有林のほとんどは林野庁が管理し森林の持つ多面的機能効果の維持や森林生態系の保護、素材生産、国土保全など様々な事業が行われています。

また全国に分布する保安林の5割、国立公園の6割も国有林です。

例えば世界自然遺産の屋久島や嵐山の風景林です。

気になる方はこちらから探してみてください→日本美しの森 お薦め国有林

「なんで国が森林管理を行うの?」と思うかもしれませんが、日本は森林によって様々な恩恵を受けています。

代表的なものが水です。

日本は水道水も飲むことができますが、世界に日本と同じように水道水が飲める国は15カ国しかありません。

日本の水が綺麗な理由、それは森林の多面的機能の1つ水源涵養機能のおかげ←詳しくはここに書いてあります。

仮に水源地域が誰かの所有林だった場合、開発や皆伐、放置林による荒廃など様々な理由で水が汚れてしまうと生活水に支障が出ます。

そのようなことが起きないよう森林を国が管理・保護しています。

また、人間の開発によって森林が減少し動植物が生息する場所が減ってきています。

動植物が生息できるよう生態系を保つことで希少種や固有種を保護しています。

国有林の約3割は育成単層林(人工林)として素材生産を行っています。

2010年度では205万m3の原木を伐採・搬出し、7,000haの植林や14万haの間伐を行なっています。

最近ではレクリエーションの森として国有林を散策することができます。

国有林には森林の多面的機能に注目した様々な保安林があり、私たちの生活を守ってくれる働きがあります。

国有林のほとんどは林野庁が管理・保護していますが、林野庁以外にも文部科学省や国土交通省も所有しています。

国有林の中にはたい入り禁止地区などがあるので、訪れる際は確認や許可を取るようお願いします。

民有林

民有林とは国有林以外のすべての森林を指し、大きく分けて都道府県や市町村が所有している公有林と個人や企業が所有する私有林の2種類あります。

公有林

「都道府県や市町村などの公共機関が所有・管理している森林なのに民有林に含まれるの?」と思うかもしれませんが、森林法上公有林は民有林に含まれます。

市町村有林の多くは江戸時代の入会林野地から生まれました。

公有林とは都道府県有林や市町村有林、財産区有林が含まれ全国で299万haあります。

京都府では7,474haの公有林があり府有林(財産区、共有林など)や奥地・大面積によって自力で開発困難な森林を森林所有者と府が契約し京都府で一体的に管理・経営を行っています。

私有林

私有林とは個人や企業、神社仏閣などが所有森林を指し2017年では民有林の80%以上(1,439万ha)が私有林です。

世界では国・公有林が高い国が多く日本のように私有林の方が多い国はフランスやアメリカ、北欧諸国など少数です。

日本の私有林は明治期に行われた地租改正によって江戸時代までは入会の所有だった森林を地主や農民に交付しました。

その結果、日本の森林所有者は所有林面積に大きな差があり1ha〜5ha未満の森林所有者が全体の74パーセントにもなります。

私有林は所有者が様々なため個人の他に企業が所有する社有林や学校が所有する学校林などもあります。

社有林

伐採

社有林は、住宅メーカーや製紙企業などが丸太などの建材やパルプの原料などを生産しています。

最近ではSDGsのこともあり環境に取り組んでいる企業も増えてきました。

長野・東京ガスの森では地球温暖化防止や多様性保全など森林整備を行うことで綺麗な森林を保ち多面的効果を発揮しています。

綺麗な森林は人々をリラックスさせる効果があるため社員やお客さんを案内することで心的ストレスの緩和を担っています。

林業事業体にも森林を案内する企業があり手入れされた綺麗な人工林を歩くことができます。

他にも老舗和菓子店や製薬会社など自社で森林を持っている企業はいくつもあります。

ぜひ参加してみて下さい。

学校林

学校林とは学校が所有している森林を指します。

最近では子供の環境教育のために民有林と契約している学校もあります。

森の幼稚園があるように生徒や児童が自然の中で遊び、学ぶのは重要なことです。

特に都心部に行けば行くほど自然と触れ合う機会が減ってきます。

僕が通っていた小中学校には学校内に1haほどの林があって休み時間に鬼ごっこなどをした記憶があります。

小学校の時に作った卒業制作は台風で倒れた学校の木を材料にして作りました。

自然での活動は心を豊かにします。

最後に

いかがでしたでしょうか?

森林を所有者ごとに分けてみました。

国有林は森林の多面的機能を保ちながら素材生産など様々なことを行なっています。

企業でも森林事業に取り組んでいるところも増え森林の重要性を多く理解しています。

また、近年問題になっている放置林は市町村等が森林の境界や所有者を見つけ確認することで森林がただ放置されることがなくなると思います。

気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメントしてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。