こんにちは
新人木こりのナカイです
最近コロナの影響から国産材の価格が3割増になったという話を聞きました。
今回は国産材についてお話ししていきたいと思います。
国産材は高いの?安いの?
皆さんは国産材の価格をご存知ですか?
あまり馴染みがないかもしれません。
ヒノキを例にすると1㎥で1万5千~1万8千円で取引されます。
これは木材が売れていたピーク時の4分の1の価格です。
「高いのか安いのか分からない」と思うかもしれません。
皆さんが普段食べているお米(5キロ2000円)を1立米=1000キロで計算すると40万円になります。
特売のダイコン(1本1キロ100円)を1立米=1000キロで計算しても10万円です、、、
つまり国産材ってすごく安いんです。
国産材は高い
国産材を使ってもらえない
安いって言っていたのに高いってどういう事だよと思うと思います。
国内に限った話だと国産材は高い材として扱われてしまいます。
理由は外国産材が安すぎるんです。
というのも日本は外国産材に関税をかけていないため、安い材がどんどん輸入され使われていきます。
高度経済成長期に住宅建築ブームになり国内の材だけでは供給が間に合わなくなった為に政府が関税を撤廃してしまったのです。
実際日本の国産木材自給率は平成14年に過去最低の18.8%を記録しました。
日本で使われた材の8割が外国産材とは少し恐ろしいですね。
近年、国の補助もあり最新の木材自給率では37.8%と増加傾向にあります。
コロナウイルスが世界中に広がったため経済は悪化、日本の林業も一時は木材価格が下がり(コロナで住宅の着工数の減少、により木材の需要率の減少が原因)苦しい思いをしました。
コロナによって在宅時間の増加がアメリカでの着工数の増加に繋がり外国産材の価格が高騰してきたのです。
(通称ウッドショック)
これにより、国産材の需要が上がり価格が高騰、供給が間に合わなくなってきています
外国産材の価格高騰をきっかけに日本国内の外材を扱っている製材所でも
国産材を使う方向にシフトする動きがあります。
搬出コストが高い
山から材を伐って市場や工場まで出してくる流通コストが日本は高いのが現状です。
林業先進国のオーストラリアでは伐出コスト、運材コストのトータルが日本の二分の一で行えています。
そのため、山主への収益が大きく再造林を行いやすい環境です。
また、山主に多くの収益が入るため意欲的に森林に関わり、主伐を行いたいと思う方が多く
安定して木材の供給が行えます。
しかし、日本の多くの森林所有者は主伐予定がないのが現状です。
自身が所有している山に関心がなく自身の所有林がどこにあるか知らない方も多くいらっしゃいます。所有者が分からない場合、その方の所有林と通らないよう作業道を作らなくてはならないため時間もコストもかかってしまいます。
世界一安い?
1では国産材は日本国内では高いと話しました。
しかし、世界から見ると日本材程安い材はありません。
というのも日本は材を丸太のまま輸出しているため付加価値がつきにくいです。
日本材を輸入する多くの国は梱包材や土木用資材として使うため材の品質は関係ありません。そのため日本ではB材C材として合板やチップに使用される材が中国、台湾に輸出されます。
木材供給の9割を輸入に頼る台湾では、日本材が安く輸入され使われるため国内の材が使われないという日本と同様の問題が起きています。
「なら、製材して付加価値を付ければいいじゃん」と思うと思います。
しかし、製材した製品を輸入してくれるところが多くないため輸出できません。
海外で日本の製材品が使われている例としてはアメリカの住宅フェンスがあります。
これから国産材はどうなるの?
このように日本の木材は国内では高く、海外では安い材として扱われてしまいます。
安定して十分な量の境界ができないため山側に価格交渉を行う力がないのが現状です。
これは、林業従事者の不足、日本にあった搬出システムがまだ定まっていないことや運搬コストを抑えるなど様々な要因が考えられます。
大事に先祖から引き継いだ山の手入れを行っても利益にならない。
頑張って手入れした材がバイオマスに持って行かれ燃やされるのは悲しいと思います。
木材の価格問題は今後も日本林業の課題の一つと言えるでしょう。
一本でも多く材が高くなるよう、より一層気を引き締めて頑張っていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。