木も病気になる⁉︎見逃さないで、枝・幹に出ているそのサイン。見逃して時間が経つと危険に

 

 

こんにちは、ナカイです。

今回は前回書いた記事木も病気になる⁉︎放っておいたら枯れて危険木になってしまいます。葉に出ているサインを見逃すな の枝・幹編です。

皆さん街中の公園や森林でも不思議な形をしている木を見たことないですか。

すごく曲がっていたり凹んでいたり膨らんでいたり、、、子供の頃、歪な形の木があると不思議だなと思っていました。

「木はより多く光合成するために太陽の方向に伸びるから曲がったり歪な形をしているんじゃないの?」と思った方いませんか?

確かに広葉樹は光が刺す方に伸びていく習性があるので木の形が曲がりやすいですが凹みや腫れは病気によるものなんです。

枝・幹に症状が出る病気

枝や幹に現れる症状によって病状は異なり胴枯れ病、天狗巣病、こぶ病、永年癌腫病の4つを紹介します。

胴枯れ病

胴枯れ病は枝や幹に病原菌が寄生し、侵入した箇所から上部を枯らします。

侵入箇所が赤褐色や黒色に変色し窪みその後、小さい隆起物が多数形成されます。

病気が広がると幹にヒビが入り、最終的に枯死してしまいます。

原因

害虫による穴や食害跡、剪定による切り口、強風、水割れなどの環境によって樹皮に傷がついてしまった箇所に昆虫や鳥に付着した病原菌が侵入し発症します。

傷口から菌が侵入しても樹木が健康に生長しているときは発生が抑えられており、樹木を取り巻く環境的要因や樹木自体の健康状態が低下する生理的衰弱によって胴枯れ病が発生します。

そのため、木の健康状態を下げるような土壌条件や水分条件には注意してください。

対策

胴枯れ病に発症している箇所が枝のみの場合は直ちに切除を行い防菌ゆうごう促進材を塗りその後の菌の侵入を防ぎます。

幹まで症状が出ている場合、病患部の下まで伐採し萌芽更新によって再生します。

早期発見が大事です。

特殊伐採の現場でも枯れている木の伐採がありますが、枯れが地面に近ければ近いほど伐採を早く行います。

枯れがある木は早めに伐採を行いますが、早期派遣ができることが一番良いと思います。

天狗巣病

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天狗巣病とはカビが枝葉に侵入することで枝が無数に生え、年々大きな塊になっていきます。

年々大きくなっていくため、発見が遅れてしまうことも多く病気が樹木全体に広がり衰弱し、枯れてしまいます。

桜、キリ、ツツジ、タケ類が感染しやすく、感染した枝は花が咲かなくなってしまうため景観を損ね、タケノコが生産されなくなるといった問題も出てきます。

原因

樹木に菌が侵入することで植物ホルモンが乱れ、本来頂芽から出るオーキシン(植物ホルモンで他の枝の生長を抑制する働きを持つ)に抵抗するサイトカイニン(植物ホルモン)が異常に分泌され多くの枝が一度に生長してしまいます。

対策

現在、一度発症した箇所を直す有効な薬は無いため、花粉が発生する前に天狗巣病になっている箇所を切除し焼却処理、もしくは殺菌剤を散布することで拡大を防いでいます。

天狗巣病の除去は枝先の場合が多く移動や除去に時間が掛かってしまいます。

こぶ病

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皆さんも公園とかでこのような樹木を見たことがないですか?

これがこぶ病です。

こぶ病とは幹や枝に表面がザラザラとした褐色のこぶが発生する病気です。

この病気は始め直径1cmにも満たない大きさですが時が経つにつれて大きくなっていき拳大以上の大きさにもなります。

長い年月が経つとこぶは割けたり、内部が腐敗して空洞になったり、表面が凹凸になります。

こぶになっている部分は組織が壊れ栄養を運ぶ働きが悪くなるため成長が衰え、こぶが多いと枯れてしまいます。

原因

梅雨などの湿度の高い時期や場所に発生しやすく、侵入した菌が樹木の細胞を増殖させることでこぶができます。

樹種によって侵入する菌も異なりサクラやフジなどは細菌が侵入し、マツやブナ科にはカビ(糸状菌)が侵入することで発症します。

特に、ブナ科に寄生する菌は飛散してマツに侵入します。

対策

こぶと発症箇所を切り取りますが、大きく切り取りができない場合はこぶの下から伐採します。

幹に多くのこぶが出来ており、除去が出来ない場合は根から焼却し処理を行います。

こぶの切り口に殺菌作用のある融合剤を塗ることで病状の悪化、拡大を防止します。

ブナ科にこぶを発見した場合は周囲のマツにも適した薬品を散布し感染を防ぎます。

癌腫病(がんしゅびょう)

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日本人の3代疾患の1つと言える癌、実は木も癌になります。

癌腫病は木が腐っていく病気で、主にサクラやナラ、カエデ類等の広葉樹に見られます。

秋になるとオレンジ色の実が付くビワや冬に見頃を迎えるモモも被害を受け、発病した枝や幹は徐々に病原菌が広がり最終的に枯死します。

そのため、頭上から枯れ枝が落ちてきたり幹が折れて倒木するといった危険性があります。

原因

剪定や木が折れた時にできた傷に病原菌が侵入し発病します。

侵入した病原菌は徐々に患部から広がり、周囲の癒合組織が形成されていきます。

癒合組織の形成が繰り返されていくと、凹凸の永年性癌腫になります。

癌腫の患部から腐朽病が侵入したり枯死した樹皮に子のう殻を形成することで感染を広げていきます。

対策

木の癌腫は人のように抗がん剤等がないため病気になった枝を切除・焼却処理を行い感染を抑えます。

切除した切り口には殺菌作用のある癒合剤を塗ることで再発を防ぎます。

最後に

いかがだったでしょうか?

木の病気枝・幹編を書きました。

大径木になると枝のサイズも大きくなり落ちてきたら大怪我になります。

木の病気は一般の方では判別しにくい場合も多く、もし気になったら専門家を呼んでください。

早期に発見できれば処置も小さく行えるため木を伐採しなくても良いため健康になります。

発見が遅れ重症だと伐採を行わなければならず、木の状態によってはクレーン等の重機を手配しなければならないため高額になってしまうこともあります。

気になる点、質問ございましたら気軽にFacebook株式会社アーボプラスにコメント下さい。

最後まで読んでいただきありがとうございました。