こんにちは
新人木こりのナカイです
先日、仕事を終えて帰宅している途中にキツネに遭遇し、危うくぶつかってしまいそうになりました。
確認するまではもう、心臓バクバクで頭の中は「轢いてないかな?怪我させてないかな?」でいっぱいに。
夜の田舎道は時々動物が飛び出してきます。
キツネやタヌキなどの小さい動物でもシカや猪などの大きい動物でも、
野生動物に大きな怪我をさせてしまうと命に関わります。
たまに走りながらここ出てきそうだなと思うと「出てくるなよ〜」と願い、速度を落とて運転します。
山が周りにあれば動物が出てくるのは当たり前です。
森林は動物たちの住処で様々な動植物が活動しています。
これは森林の多面的機能の生物多様性保全機能のおかげです。
生物多様性保全機能とは
生物多様性とは
生物多様性とは私たち人間という種が単独で生活できないように、地球上に存在する生物は皆直接的あるいは間接的に
関わり支え合っています。
多様性のレベルは生体系・種・遺伝子の3つあります。
生態系の多様性は森林、河川、湿原、珊瑚礁などの生物を取り巻く様々な自然環境が存在していることで
種の多様性である様々な種類の生物が生息生育します。
同じ種の生物でも個体ごとに遺伝子に違い(大きさ、色、模様など)があります。これを遺伝子の多様性と言います。
つまり生物が生息する多様な環境を保全することで多種多様な生物・種を保全し結果として多様な遺伝子の保全にも繋がります。
森林の持つ生物多様性保全機能とは
生物多様性保全機能とは森林に生息する動植物の生育・生息地域になり、遺伝子や樹種、生態系を保全している機能です。
日本は国土の7割が森林のため生物が生息する場所は多く国も大陸から海を隔てているため数多くの固有種が存在します。
例を挙げるとすると西表島のイリオモテヤマネコや屋久島のヤクシマオニクワガタなどがあげられます。
しかし近年生物の数が減少し生態系が崩れていますています。
森林の荒廃や地球温暖化による気温上昇など環境が変化してしまったのが原因だと考えられます。
2019年に発表されたレッドリストでは国内で絶滅危惧種が3732種確認せれており2018年に比べ57種類も増えました。
たった1年で51種類も絶滅の危機に瀕しているなんて驚きです。
環境の変化
現在日本の抱えている問題の1つに放置林が多くあります。
植林をした山林でも、子供、孫の代になり森林を持ってはいるものの行ったことがないという方が多くなってきています。
植林を行った森林は手入れをしないと荒れてしまいます
特に針葉樹の単層林(単一樹種のみの森林)は手入れ管理を行わないと森林に光が入らなくなり下層植生が生えてきません
土地は痩せ、土壌は不安定になり土砂災害が起きてしまいます。
また、動物の食料となるものがなくなりその環境に耐えることのできるもののみになり生態系が崩れてしまいます。
生態系が崩れるとニホンジカやイノシシなど一部の野生鳥獣の拡大による被害が出てしまいます
シカは戦後、食料不足や乱獲によって個体数が減少してしまい保護対象となりました。
その後鹿の個体数は回復、保護対象を外す頃には少し多いぐらいでした。
このようになったのは鹿の個体数の上昇に対し猟銃を使う狩猟者が減少、都市の人口集中による農村山村の過疎化、鹿の天敵とも言える日本狼の絶滅などがあげられます。
具体的な被害として、植林した苗を食べてしまったり、立木の皮剥ぎ、角研ぎなどがあります。
現在、林業における鹿の被害は年間の獣害の7割を占めています。
以前はいなかった敵
また、以前は生息していなかった外来種が日本内で繁殖し日本固有の生物を絶滅に追いやっています。
奄美大島に生息するアマミノクロウサギなどの小動物はインド原産のマングースによって数が減少してしまいました。
さらに日本固有種であるニホンザルがタイワンザルのような近しい血種の交配によって伝染病や遺伝的疾患などの被害もあります。
保護林
地球温暖化や森林の荒廃によって生物の生息、生育できる環境が減少しているのを防ぐため国有林における保護林、緑の回廊を通じて森林生体系や希少な動植物が生育できる森林を保全、管理しています。
保護林とは原生的な天然林等を保護管理することで生物多様性保全機能によって森林生態系を保護、自然環境の維持などを目的とした国有林です。また、自然世界遺産の価値を将来に渡り維持していくのも目的の1つです。
緑の回廊とは国有林事業の一環として野生動物の移動経路を確保し、生息・生育血の拡大と相互交流によって野生動物の多様性保全に努めています。
最後に
いかがでしたでしょうか?
森林の持つ多目的機能のうち生物多様性保全について書きました。
地球温暖化や人的要素(外来種や開発など)によって日本の生態系は減ってきています。
森林は人間だけのものではありません。手入れをしなければ森林生体系へ影響が出てしまいます。
私たちアーボプラスは森林に関わる者として生物多様性のことも考え、
日本の森林が少しでも生物たちにとって住みやすい環境になり、人と動物たちが共存できるよう努めてまいります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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